京都山科、琵琶湖疎水沿いにある安祥寺。通常非公開のお寺ですが、特別に参拝のできるときがあります。御本尊の十一面観音は必見です!
安祥寺でいただける御朱印
十一面観音の御朱印
御本尊・十一面観音の御朱印です。
五智如来の御朱印
京都国立博物館に寄託されている、五智如来の御朱印です。
安祥寺の見どころ
安祥寺は嘉祥元年(848)文徳天皇の母・藤原順子の発願で、唐僧・恵運によって創建されました。
かつては広大な敷地をもつ寺院でしたが、現在は本堂・地蔵堂・大師堂を残すのみとなっています。
参拝したときは京都非公開文化財特別公開の期間でした。同じく特別公開のあった毘沙門堂門跡から、琵琶湖疎水沿いを西に歩いていきます。
毘沙門堂のあるところも、以前は安祥寺の敷地だったといいます。かつての寺の大きさを感じつつ、新緑のなかをのんびりと移動。現在、このあたりは桜の名所として有名です。
毘沙門堂門跡については、こちらの記事もどうぞ。
歩いて10分ほどで、安祥寺の入り口に到着。拝観料を納め、まずは本堂に上がっておまいりします。
本尊 十一面観音立像
ふだん非公開の仏像を見ることができるとあって、堂内参拝者の熱気を感じます。
御本尊は十一面観音立像。重要文化財に指定されています。
切れ長の目、お顔はややふっくらとした印象。黒いつやのある全身には金箔がところどころ残り、きらきらと光ります。左手に水瓶を持ち、自然にすっと立つ姿はとても美しい。
横から見ると、軽く踏み出すように片足を浮かせているのがわかります。御本尊の左右は、四天王像が守護します。
お堂にあがって、間近で参拝できるのがいいですね。はるばる山科まで来たかいがありました!
堂内は撮影禁止。御朱印所にあったポスターはオッケーとのことで、ありがたく撮影させていただきました。
地蔵堂と大師堂
続いて、地蔵堂と大師堂に参拝。本堂とともに江戸時代に再建された建物です。
地蔵堂には地蔵菩薩像、大師堂には弘法大師をはじめとする歴代上人像を安置します。
現在拝観できる建物は、ここまでです。
山のふもと、落ち着いた雰囲気が良いお寺ですが、以前は上のほうまでお堂が広がっていたことを知ると少しさびしい気がしますね。
かつての壮大な安祥寺を感じるには、いまも伝わる寺宝がここ京都に残っています。
そのひとつが、最初に御朱印を紹介しました五智如来坐像です。
京都国立博物館の五智如来坐像
金剛界の五仏・五智如来坐像は、かつては安祥寺の多宝塔に安置されていました。
多宝塔は明治時代に焼失しましたが、仏像はそれ以前から京都国立博物館に寄託されており、難を逃れました。
創建時のものと推定される五仏は、国内に残るいちばん古い五智如来像とのこと。2019年には国宝に指定され、現在は5躯ならんだ姿を見ることができます。
御朱印をいただきましたので、後日京都国立博物館に行ってきました。
数多くの名宝を展示する博物館ですが、なかでも大きくどっしりとした五智如来坐像は存在感あり。大日如来を中心に並ぶ五仏、風格を感じました。
意外と京博のトラりんのブログが写真多く、詳しかったので参考にどうぞ。
同じく京都にある、東寺(教王護国寺)の観智院にある五大虚空蔵菩薩像。こちらももとは安祥寺にあった仏像で、創建の恵運が唐から招いたものと伝わります。
2019年には、東京国立博物館の特別展「国宝 東寺-空海と仏像曼荼羅」にも出品されました。孔雀や馬などの上に鎮座する五仏、わたしも大好きな仏像のひとつです。
こんな立派な仏像の数々を安置するお堂があったかと想像すると、やはり安祥寺のすばらしさを感じずにはいられません。
五智如来坐像と五大虚空蔵菩薩像、どちらも見ごたえのある仏像です。機会ありましたらどうぞおまいりください。
あわせて行きたい 近くの寺社めぐり
安祥寺より琵琶湖疎水沿いを東に進むと、毘沙門堂があります。枝垂れ桜や紅葉が美しく、カラフルな御朱印も人気の門跡寺院です。
建物内部の公開もありますので、あわせて参拝されてはいかがでしょうか。
基本情報
吉祥山 安祥寺
所在地:京都府京都市山科区御陵平林町22
拝観時間:不明
公式サイト:なし