京都山科にある毘沙門堂は天台宗五門跡のひとつ。毘沙門堂門跡の名で知られています。四季折々の風景が美しく、とくに春は枝垂れ桜、秋は紅葉でにぎわいます。
毘沙門堂でいただける御朱印
毘沙門天の御朱印
御本尊・毘沙門天の御朱印です。参拝時は令和に改元された直後でしたので「奉祝」の文字が入っています。
限定の御朱印
特別公開記念の御朱印です。参拝時に公開された、霊殿内陣の壁画が印であらわされています。
毘沙門堂門跡では通常・限定もあわせて、多くの種類の御朱印・御朱印帳が受けられます。とくにカラフルな色合いの御朱印が人気で、どれをいただくか迷ってしまいます。
気持ちの良い秋晴れです。
— 毘沙門堂門跡 (@bisyamondo) October 31, 2020
のんびりと時間が流れています。
今秋は、御朱印は書き置き対応とさせていただきますが、素敵なものをご用意いたしましたのでご容赦くださいませ。#毘沙門堂 #毘沙門堂門跡 #京都 #紅葉 #朱印 #山科 #bishamondo #kyoto #japan #書き置き朱印 #紅葉の朱印 #菊の朱印 pic.twitter.com/LFpijmhXRV
ときどきTwitterで告知されているので、要チェックです。
毘沙門堂の見どころ
毘沙門堂は大宝三年(703)文武天皇の勅願により、行基によって出雲路(上京区)に開かれた出雲寺がはじまりと伝わります。
戦乱で焼失などの後に、この地で再建。後西天皇の皇子・公弁法親王が入寺してより、門跡寺院となりました。
最寄りのJR山科駅・京阪山科駅からは、山のほうへなだらかに上っていきます。琵琶湖疎水を渡り、さらに進むと寺の入り口・極楽橋が見えてきます。
わたしが参拝したのは5月上旬。青もみじの緑が気持ちよく、さわやかな気候です。
石段を上り、仁王門をくぐると本堂の正面。ちょうど藤の花も見ごろ、朱塗りの建物との対比が美しいですね。
本堂より奥にある宸殿などもあわせて観たいときは、入り口で拝観料(500円)を納めます。このときは京都非公開文化財特別公開の期間だったので、霊殿の内陣にも入ることができました。
御朱印帳は先にとのことで、帳面を預けて本堂に上がります。
秘仏の本尊 毘沙門天
本尊は毘沙門天。伝教大師・最澄が延暦寺根本中堂の本尊の余材をもって、みずから刻まれたと伝わる御本尊です。
残念ながら秘仏。扉が閉まった厨子の前には小さなお前立の毘沙門天、むかって左側には不動明王像を安置します。商売繁盛・家内安全のご利益ありとのことで、おまいりを。
毘沙門天と縁の深い動物といえば寅。その昔、聖徳太子の戦の手助けに毘沙門天があらわれたのが寅年・寅日・寅の刻だったという伝説に由来します。
同じくムカデも毘沙門天の使いとして信仰されています。
ここ毘沙門堂では、お守りとして寅の張り子とムカデのお札(牛王宝印)がありました。お札は厄除け・金運を上げるご利益があるそうで、何匹ものムカデを配した独特の図柄です。
これはご利益ありそう!と思いつつ、なかなかの生々しさに昔かまれた記憶がよみがえり…。じ、次回にしようかな!
本堂から奥へは係のかたの説明とともに、グループで案内されます。
龍の守護する霊殿
江戸時代に御所から移築された霊殿。阿弥陀如来を中心に、厨子や位牌を安置します。参拝時は内陣まで入り、修復がおわった障壁画を間近で見ることができました。
琵琶や香炉を持ち、優雅に舞い飛ぶ飛天と迦陵頻伽たち。蓮池の青と金色の背景があざやかです。阿弥陀如来とともに、壁画であらわされる極楽浄土の世界。ふだんは前に厨子が置かれているので、隠れて見えないところも多いそう。
そして見上げた天井には守護龍が描かれています。この龍、見る角度によって眼が動くように向きが変わるとのこと。天井龍を見ながらゆっくりと移動します。ぎょろっと動く瞬間がおもしろく、何回も座敷をまわりそうになります。
しかし団体行動なので、ほどよいところで切り上げ。次の建物に進みましょう。
動く襖絵 宸殿と庭園 晩翠園
案内されたのは、後西天皇の旧殿を拝領・移築した宸殿。ここでは狩野益信筆の障壁画を堪能。部屋によってさまざまな意匠の絵画が楽しめます。なかでも動く襖絵として有名な絵は、逆遠近法によって描かれています。
そのほかにも、鯉が泳いで見えるという圓山応挙筆の板戸の衝立など。トリックアートのような見どころが多いので、ふだんお寺になじみのないかたも楽しめるのではないでしょうか。
さらに宸殿の奥に広がる庭園は、晩翠園と呼ばれています。池を中心に石を配置した回遊式の名園です。新緑のこの季節も素敵ですが、秋のお庭も美しいでしょうね。
枝垂れ桜と紅葉のスポット
庭園の反対側、宸殿正面の前庭にある桜の古木。大きな枝ぶりの枝垂れ桜は、春の見どころとして人気のスポットです。
そして紅葉を見るには、桜の向こう側にある「開かずの勅使門」より下からの風景が良いようです。
この写真のさらに下側から撮るのが人気の撮影スポット。
わたしはうっかり一枚も撮っていなくて、帰ってから絶望しました…。また来なさいよ!との毘沙門天のはからいと、ポジティブに受け取っておきます。
高台弁財天
境内東側にあるのが高台弁財天です。太閤秀吉の母・大政所が大阪城内にまつっていたもので、大坂夏の陣後に北政所が高台寺に遷し、その後この地に安置されました。
あたりは青もみじにかこまれ、風情があります。霊殿のほうから見る角度も美しいですよ。
季節の花の見ごろなどは、公式サイトとあわせてTwitterでも発信されています。
毘沙門堂門跡 (@bisyamondo) / Twitter
あわせて行きたい 近くの寺社めぐり
毘沙門堂より琵琶湖疎水沿いに西へ進むと、安祥寺があります。ふだんは非公開のお寺ですが特別公開の期間もあり。そのときは御朱印もいただけます。
基本情報
護法山 毘沙門堂
所在地:京都府京都市山科区安朱稲荷山町18
拝観時間:9:00〜17:00(12~2月は16:30まで)
公式サイト:http://www.bishamon.or.jp/