花鳥参拝帖

参拝した寺社の見どころと御朱印・おみくじの紹介

円成寺【見どころと御朱印】運慶の初期作・国宝の大日如来像を拝観

奈良の円成寺

奈良市街地より柳生街道を東へ進むと、円成寺(圓成寺)があります。運慶の初期作といわれる大日如来坐像は国宝に指定されています。

円成寺の御朱印

受付ではとくに御朱印の案内はなく、こちらから種類をうかがうと2種類いただけるとのことでした。

阿弥陀如来の御朱印

円成寺の阿弥陀如来の御朱印

御本尊の御朱印です。とくに指定されない場合は、こちらの御朱印になると思います。

大日如来の御朱印

円成寺の大日如来の御朱印

大日如来の御朱印です。

円成寺の見どころ

円成寺楼門からの眺め

奈良には寺院が数多くあり、国宝に指定されている仏像も拝観できます。円成寺の大日如来坐像もそのひとつ。いつかお目にかかりたいと思いながら、交通の便がネックでなかなか参拝できずにいました。

奈良市の中心部よりアクセスする場合、車では国道369号線を経由して約30分ほど。公共の交通機関ではJR・近鉄奈良駅から柳生方面へ向かうバスに乗ります。本数が少ないので、事前にスケジュールをたてたほうがよさそうです。

バスの時刻表は柳生観光協会のページがわかりやすかったので、ご参考までに。

アクセス - 柳生観光協会

ちなみに円成寺へは「忍辱山(にんにくせん)」という停留所を降ります。最初、読みかたがわかりませんでした…。

食用のにんにくを思い浮かべてしまいますが、調べると「忍辱」は六つの修行「六波羅蜜」のひとつ。いかなる困難にも耐え忍ぶという、厳しい心構えの言葉でありました。

円成寺庭園

円成寺は真言宗御室派の寺院。創建は天平勝宝八年(756)聖武・孝謙両天皇の勅願により、唐僧の虚滝が開いたと伝わります。

室町時代には応仁の乱の兵火があり、主要な伽藍は焼失。のちに栄弘阿闍梨によって再興されました。

円成寺の境内

境内に入るとすぐ、目の前には池泉庭園が広がります。

円成寺の庭園は極楽浄土をかたどった「浄土式」と、池に舟を浮かべる「舟遊式」をあわせた寝殿造系庭園。平安時代に築かれたものといいます。

わたしが訪れたのは9月下旬、紅葉は色付きはじめといったところ。10月~11月の見頃シーズンにあわせてか、剪定の真っ最中でした。広いお庭なので、作業はなかなかたいへんそうです。

円成寺の金木犀

ほのかに咲く金木犀もよい香り。

池の淵を少し歩き、まずは受付で拝観料を納めます。大人は500円、中高生400円、小学生100円です。御朱印帳をいただく場合は、こちらで先に預けましょう。

さて本堂へ…と思いましたが、受付の奥側にある相應殿(そうおうでん)にお目当ての仏像が安置されているとのこと。今回は先におまいりすることにします。

運慶作・大日如来坐像

国宝に指定される大日如来坐像、もとは多宝塔の御本尊でした。

鎌倉時代を代表する仏師・運慶が二十代のころの最初期作とのこと。そういわれると、なんとなく仏像からも若々しい印象を受けてしまいますね。

端正なお顔、繊細に表現された髪には宝冠。引き締まったお身体に瓔珞などの飾りをつけ、左手の人差し指を右手で包みこむ智拳印を結びます。衣文は運慶にしてはおとなしめでしょうか。このあたりが初期作らしい? などと、しろうとなりに考えてみたり。

貴重な仏像ですが、ガラスの仕切りはそれほど高さもなく、横からもじっくり見仏できるのがうれしい。横顔はさらにイケメンでございます。

円成寺の大日如来のポスター

参考までに、相應殿入り口に貼ってあったJR東海のポスターを撮影させていただきました。

多宝塔・護摩堂

御本尊より先に大日如来におまいりしてしまったので、今回は本堂をいちばん最後にすることに。相應殿を出て、正面に建つ多宝塔にまいります。

円成寺の多宝塔

円成寺の多宝塔は後白河法皇が寄進されたものでしたが、兵火で焼かれ失われました。現在の塔は平成に入って再建されたものです。先に参拝した国宝・大日如来坐像をまつりましたが、いまは模刻された大日如来像を安置します。

また本堂むかって左側にある護摩堂には不動明王立像、僧形文殊菩薩坐像、弘法大師坐像。不動明王には二童子も従います。

鎮守社 春日堂と白山堂

円成寺の春日堂と白山堂

本堂むかって反対側、左方には鎮守社が並び建ちます。同じ大きさ、形のこの社殿は春日堂白山堂。春日大明神、白山大権現をそれぞれまつります。

安貞二年(1228)に春日大社の本殿を移築し鎮守社としたもので、現存するもっとも古い春日造の社殿とのこと、国宝に指定されています。

少し木の枝がのびて隠れてしまってますね。多分このあと、見やすいように短く刈り取られるのでしょう。

鎮守社の前には拝殿鐘楼、隣の奥には宇賀神本殿が並びます。

本堂(阿弥陀堂)

円成寺の本堂

さて、ようやく本堂におまいりします。こちらには御本尊・阿弥陀如来坐像が安置され、阿弥陀堂とも呼ばれています。

須弥壇上の仏像は平安時代の作。上品上生の定印を結び、ふっくらとしたお顔が印象的。光背は宝相華唐草文様の透彫が繊細で美しい。

内陣を支える4本の柱には、楽器を演奏する菩薩が描かれます。雲や衣をなびかせ舞い踊る菩薩たちは、まるで浄土からわたしたちを迎えに来られるよう。これは中央の御本尊とあわせて、阿弥陀二十五菩薩来迎を意識してつくられたものといいます。

まさに極楽の空間…! なのですが、堂内少し暗い。内陣を中心にぐるりとまわることができ、四天王立像・南無仏大師立像・十一面観音立像などの仏像も参拝できるのですが明かりが少ないため、よく見えないものもあり。

「遠い・暗い・閉まっている」は見仏三大あるある(と勝手に思っている)のですが、せっかくなのでもう少しよく見れたらなぁ…と、ちょっともやもやとしながら御本尊を見上げていました。

と、あとから入ってきた年配の参拝者が取り出したのはペンライト。さっと御本尊のお顔をひと照らし、そのまま奥に行かれました。

あぁ、あれがあればよく見えるだろうなぁ。見仏には必要だよねぇ…。と、見送りながらも不思議なことに、「わたしにはいらないかな」と。同時にまったく逆の気持ちも心に浮かかびました。

見えようが見えなかろうが、仏像はそこにいらっしゃる。こうやって迎えてくださっているのだから、それでじゅうぶんじゃないの?

なんとなくすっきりとした気分になり、本堂を後にしました。

円成寺の楼門

最後に池の対岸から、本堂のほうを眺めます。正面に見えるのは楼門。池には木々が映り、風情のある景色…ですが、見えるのは多数の脚立。よりにもよって、剪定は楼門あたりを作業中です。

まったく運が悪いな~とカメラを構えていましたが、そこでまたふと思ったのです。「それでじゅうぶんじゃないの?」と。脚立があろうがなかろうが、この庭園はとても美しい。

円成寺の仏像と庭園、今度は違った季節に参拝したいと思います。また剪定していたら、それはきっと運命…!

お食事処 里

円成寺のお食事処里

円成寺庭園に面する場所にある食事処です。定食や麺類のほか、季節ごとに変わるごはんもおすすめ。秋は松茸も売られています。

お庭をながめながら季節の松茸ごはんをいただき、秋を満喫しました。

お食事処 里

住所:奈良県奈良市忍辱山町1273
TEL:0742-93-0671
営業時間:11:00~15:00
定休日:水曜日

あわせて行きたい 近くの寺社めぐり

柳生の一刀石

国道369号線をさらに東へ進むと、柳生の里。旧柳生藩家老屋敷、陣屋跡などの見どころのほか、巨石をまつる天石立神社があります。

境内の一刀石は人気漫画『鬼滅の刃』の名シーンが再現できると人気。お時間ありましたら、この機会にあわせてどうぞ。

www.hanatori-sanpai.com

参考・このときの参拝ルート

天石立神社→円成寺

基本情報

忍辱山 圓成寺(円成寺)

所在地:奈良県奈良市忍辱山町1273
拝観時間:9:00~17:00
公式サイト:http://www.enjyouji.jp/