日本最古の道「山の辺の道」にある古社・石上(いそのかみ)神宮。境内では多くのニワトリが自由に動き回り、参拝者を楽しませています。
御神鶏(ごしんけい)みくじ
赤いトサカに黄色のくちばし。丸っこい形がかわいい置物型のおみくじです。
体の横には神社の名前が入っています。
くちばしと尾っぽは少し上向きに。モコモコとした羽の表現が入れられているあたり、つくりが細かいですね。
素材は素焼きの陶器製。おみくじの紙は下にある穴の中に収められており、赤い紐を引いて取り出します。
わたしが参拝したときは、白色と橙色の2種類でした。時期によって色違いがあるのかも?
石上神宮とは どんな神社?
石上神宮は大和・布留山のふもとにある古社。豪族・物部氏の総氏神として信仰されました。
主祭神は布都御魂大神(ふつのみたまのおおかみ)。こちらは御神体である布都御魂剣(ふつのみたまのつるぎ)に宿る御霊威であるとのこと。
国譲り神話に登場する武甕雷神(たけみかづちのかみ)が持っていた神剣で、神武天皇が東征の際に危機を救われたものと伝わります。
かつて石上神宮には本殿はなく、御神体を埋めた地を崇拝の対象としていました。現在建つ拝殿は国宝、楼門は重要文化財に指定されています。
神社に伝わる宝物のひとつとして、有名なものが七支刀。剣の左右に小枝が段違いに突き出るような特異な形で、表裏には銘文が刻まれています。
古代に百済から献上されたものと考えられており、こちらも国宝に指定されています。
2020年の初めには、東京国立博物館で公開がありました。見たかった…!
神使いのニワトリ
鳥居をくぐるとまず、種々さまざまなニワトリの姿に驚きます。その数、約30羽。境内のいたるところで自由に過ごしています。
いまから40年ほど前に奉納されたものが、自然に繁殖したそう。種類は東天紅、烏骨鶏など。
赤いトサカ、色鮮やかな長い羽、さながら伊藤若冲の群鶏図のようです。
この日は小雨がちの天気のせいか、静かに固まり気味。屋根のあるところで雨宿りしているニワトリも。
晴れているときは、もっと活動的なのかもしれません。
ニワトリは夜明けを告げる鳥として、古来より神聖なものとされていました。
日本神話では「常世長鳴鳥」と記され、天照大神を天岩戸から引き出す場面に登場します。このことからニワトリは神様の使い・御神鶏として崇められるようになりました。
縁起の良い鳥・ニワトリのおみくじ、参拝の記念にぜひ引いてみてください。
おみくじを引くには
「御神鶏みくじ」は、楼門を入って左側にある授与所で引くことができます。初穂料は500円です。
ニワトリモチーフの授与品はほかに、御神鶏絵馬などもあり。七支刀がデザインされた御神劔守や、御朱印を受けられるのもおすすめです。
基本情報
石上神宮
所在地:奈良県天理市布留町384
拝観時間(楼門の開閉時間):5:30~17:30(※季節により変動)
公式サイト:http://www.isonokami.jp/