京都東山の五重塔・通称「八坂の塔」の見える風景は、京都を代表する景観のひとつです。不定期の開門ですが、塔の内部を観ることができ、御朱印もいただけます。
八坂の塔・法観寺の御朱印
御本尊・五智如来の御朱印です。
五重塔の印が入り、参拝の記念になりますね。
法観寺の見どころ
「八坂の塔」は、正式には法観寺という臨済宗建仁寺派のお寺です。
通常、門が閉まっていることが多いですが、お寺のかたがいらっしゃるときは拝観することができます
門が開いているときは、こんな感じ。
拝観時間は10:00~15:00まで。料金はひとり400円、中学生未満は拝観できませんのでご注意。
わたしが訪れたのは、ゴールデンウイーク期間でした。土日・祝日が開門かと思いきや、平日もありとの情報も。また荒天のときは、閉めてしまうようです。
タイミングは運しだい、「開いていればラッキー」ぐらいの気持ちでいきましょう。幸運を祈ります!
御朱印をいただくときは、先に受付で帳面を預けます。
それでは五重塔からおまいりします。
八坂の塔 法観寺五重塔
法観寺の創建は飛鳥時代。聖徳太子が如意輪観音の夢告により五重の塔を建て、仏舎利を三粒納めたのがはじまりとのこと。渡来系の豪族・八坂氏とのかかわりがあったお寺と伝わります。
現在の塔は室町幕府六代将軍・足利義教により、1440年に再建。高さは46m、純和様・本瓦葺の建築で、重要文化財に指定されています。
本尊 五智如来
塔の一層目には、御本尊である五智如来が安置されています。
五智如来とは、密教の五智(5つの知恵)を五体の如来にあてはめたもの。大日・阿閦・宝生・阿弥陀・不空成就の、金剛界五仏のことをいいます。
入ってすぐ目の前に仏像がいらっしゃるので、ちょっとびっくり。なるほど、これは荒天時すぐ閉めてしまうわけです…。
背中合わせの五仏の前を、ぐるりとまわり参拝します。塔内、壁画も色鮮やか。
このときは、ほかに参拝者もおらず。塔を訪れるまでの混雑とは正反対、静かに仏像と向き合うことができました。…あぁ、おまいりできてよかった!
放っておくと、いつまでも五仏の前をぐるぐるとしそうになります。…が、きりをつけ、二層目に上がりましょう。
階段は狭く、梯子のように急な角度。落ちたりしないよう、くれぐれもご注意ください。(わたしは下げていたカメラをぶつけてしまい、冷や汗をかきました…)
二層目では、窓越しに八坂の街を見下ろすことができます。
おぉ、人でいっぱい!
塔の建つところ自体が高台なので、二層目でも遠くまでよく見えますね。
五重塔ですが、内部拝観ができるのはここまで。せっかくなので、塔を支える心柱も見て下りましょう。
礎石から塔最上部の相輪までは、一本の柱で貫いているとのこと。中心の礎石は、創建時のものがそのまま使われているそうです。
当初は須弥壇も仏像もなく、この礎石の舎利孔に舎利器を納めることにより、仏塔に魂が宿ると考えられていました。塔そのものが、神聖な対象だったのですね。
太子堂と薬師堂
塔の奥には、太子堂・薬師堂が建ちます。建物は京都市の有形文化財に指定されています。
太子堂には、聖徳太子三才像と十六才像。薬師堂には、本尊薬師如来、日光・月光菩薩、十二神将のほか、夢見地蔵尊を安置します。
境内には木曾義仲の塚と伝わる石塔もあり。あわせておまいりしました。
外のにぎわいと対照的に、拝観者は少ない印象です。わたしが訪れたときは、カップルや外国人観光客がゆっくり写真を撮りあっていました。
新緑の美しい季節、京都らしい写真が撮影できそうですね。
八坂の塔は、坂の下からの写真を多く見ますが、さまざまな場所からよく見えます。
ところによって、見えかたがまったく違うのがおもしろいです。
夜景のシルエットも素敵ですね。
あわせて行きたい 近くの寺社めぐり
八坂の塔の北側、ねねの道と呼ばれる小道を進むと、高台寺があります。豊臣秀吉公の夫人・北政所ゆかりのお寺です。
庭園など見どころ多く、御朱印も複数いただけます。
基本情報
霊応山 法観寺(八坂の塔)
所在地:京都府京都市東山区清水八坂上町388
拝観時間:10:00〜15:00
公式サイト:なし