京都東山の五重塔「八坂の塔」の風景は、京都を代表する景観のひとつです。塔は不定期の開門ですが内部まで拝観でき、御朱印もいただけます。
(2022-10-07 更新)
八坂の塔・法観寺の御朱印
御本尊・五智如来の御朱印です。
八坂の塔・法観寺とは どんなお寺?
「八坂の塔」は、正式には法観寺という臨済宗建仁寺派のお寺です。
通常、門が閉まっていることが多いのですが、お寺のかたがいらっしゃるときは拝観できます。
門が開いているときは、こんな感じ。
拝観料が必要で、ひとり400円です。中学生未満は拝観できませんのでご注意ください。
わたしが訪れたのは、5月のゴールデンウィーク期間でした。土日・祝日が開門と思いきや、平日もありとの情報も。また荒天のときは、閉めてしまうようです。
公開のタイミングは運しだい、「開いていればラッキー」ぐらいの気持ちでいきましょう。幸運を祈ります!
御朱印をいただくときは、先に受付で帳面を預けます。
それではさっそく、五重塔に入ってみましょう。
八坂の塔 法観寺五重塔
法観寺の創建は飛鳥時代。聖徳太子が如意輪観音の夢告により五重の塔を建て、仏舎利を納めたのがはじまりと伝わります。
お寺はこの地を支配した渡来系の豪族・八坂氏とのかかわりがあったのでは、といわれます。
現在の塔は永享十二年(1440)、室町幕府六代将軍・足利義教により再建。高さは約46メートル、純和様・本瓦葺の建築で、重要文化財に指定されています。
本尊 五智如来
塔の一層目には、御本尊である五智如来が安置されます。
五智如来とは、密教の五智(5つの知恵)を五体の如来にあてはめたもの。大日・阿閦・宝生・阿弥陀・不空成就の金剛界五仏のことをいいます。
入り口すぐに、仏像がいらっしゃるのでびっくりします。なるほど、これは荒天時すぐに閉めてしまうわけです…雨風が吹き込んでしまいますもんね。
塔内、壁画も色鮮やか。仕切りもなく、いきなり仏の世界に飛び込んだ感があります。心を落ち着け、背中合わせの仏像の前をゆっくりと拝観。
このときはほかに参拝者はなく、思う存分五仏と向き合えました。やはり、おまいりできてよかった!
名残惜しく、いつまでも五仏の前をぐるぐるしたくなりますが(バターになりそう…とかいったら年代がばれるのでしょうか)、程よいところで二層目に上がります。
階段はせまく、はしごのように急な角度。落ちたりしないよう、くれぐれもご注意ください。(わたしは下げていたカメラをぶつけてしまい、冷や汗をかきました…)
二層目では、窓越しに八坂の街を見下ろせます。
おぉ、人でいっぱい!
塔の建つところが高台なので、二層目でも遠くまでよく見えますね。
五重塔ですが、内部拝観ができるのはここまでです。塔を支える心柱を見ながら下りましょう。
心柱は塔の礎石から最上部の相輪まで、一本の柱で貫いているとのこと。中心の礎石は、創建時のものがそのまま使われているそうです。
当初は須弥壇も仏像もなく、礎石の舎利孔に舎利器を納めることにより、仏塔に魂が宿ると考えられていました。塔そのものが、神聖な対象だったのですね。
太子堂と薬師堂
五重塔拝観が済みましたら、境内を見ていきましょう。
塔の奥には、太子堂・薬師堂が建ちます。建物は京都市有形文化財です。
太子堂には、聖徳太子三才像と十六才像。薬師堂には、本尊薬師如来、日光・月光菩薩、十二神将のほか、夢見地蔵尊を安置します。
境内には木曾義仲の塚と伝わる石塔もあり。あわせておまいりしました。
外のにぎわいとくらべると、拝観者は少ない印象です。わたしが訪れたときは、カップルや外国人観光客がゆっくりと写真を撮りあっていました。
新緑の美しい季節、京都らしい写真が撮影できそうですね。
八坂の塔は、坂の下からの写真を多く見ますが、さまざまな場所からよく見えます。
ところによって、見えかたがまったく違うのがおもしろい。
定番の撮影スポット。西側・坂の下からの八坂の塔。
東側、坂の上からは三重塔のようにも見えますね。
夜景のシルエットも素敵。
あわせて行きたい 近くの寺社めぐり
八坂の塔の北側、ねねの道と呼ばれる小道を進むと、高台寺があります。豊臣秀吉公の夫人・北政所ゆかりのお寺です。
庭園など見どころが多く、御朱印も複数いただけます。
そのほか、周辺は有名な寺社が集まりますので、どうぞゆっくりとご散策ください。
基本情報
霊応山 法観寺(八坂の塔)
所在地:京都府京都市東山区清水八坂上町388
拝観時間:10:00〜15:00
公式サイト:なし