花鳥参拝帖

参拝した寺社の見どころや御朱印・おみくじの紹介

菊野大明神(法雲寺)【見どころと御朱印】かわらけを割って縁切り祈願

法雲寺の菊

京都市中京区、法雲寺境内にまつられる菊野大明神。悪縁を切り、良縁を結ぶ御利益ある霊石には、小野小町にまつわる話が伝えられています。

法雲寺でいただける御朱印

法雲寺の御朱印

京都の法雲寺の御朱印

菊野大明神の御朱印

京都法雲寺の菊野大明神の御朱印

京都法雲寺の菊野大明神の御朱印別紙

菊野大明神の御朱印は2種類。「良縁祈願」の文字の入った上記の御朱印は、書置きのみです。菊の花のような柄の紙にいただけます。

法雲寺の見どころ

京都の法雲寺の参道

法雲寺は浄土宗のお寺です。最寄りの駅は地下鉄・京都市役所前駅。河原町二条交差点より北へ、少し細い道を入ったところにあります。

寺名の入った標石を目印にされると、通りすぎることなくわかると思います。

法雲寺のはじまり

法雲寺のある場所は平安時代中期、太政大臣・藤原兼家公の邸宅があり、庭園には池がありました。兼家公の出家後、邸宅跡には法興院(ほうこういん)というお寺が建立されます。その後、お寺は焼失。再建を繰り返しますが、廃絶します。

永禄十年(1567)、清泉のみ残っていた場所に源蓮社然誉上人が庵を結びます。これが法雲寺のはじまりと伝わります。

山門をくぐると、ちょうど境内の案内図が。

京都の法雲寺の境内案内図

案内図のある場所より左手にある建物が、御本尊・阿弥陀如来像を安置する本堂。先に堂外より参拝します。

縁切りのご利益のある菊野大明神への入り口は、受付の右横です。こちらにも、ていねいに案内がありますね。

京都の法雲寺の参拝受付

以前は「お線香とローソクのお供えが基本、お願いごとのあるかたは護摩木に」という感じでしたが、現在はかわらけがプラスされた参拝セットが用意されています。

かわらけは良縁を願うかたと、悪縁切りのかたとは別のものになっています。参拝セットを受けるかたは、どちらにするか受付で申し出ましょう。また御朱印をお願いするときも、先にこちらで帳面を預けます。

ちなみに案内にある「おみくじ無料」。菊野大明神のある建物内には、おみくじの筒と番号・お告げが書かれた額が置かれています。勝手に筒を振って引けるので無料。おみくじといえば、現在は吉凶の書かれた紙と引き換えることがほとんどですが、このおみくじ額システムはある意味エコでいいかもしれません。

くわしくは写真でご紹介したいところですが、これより先は撮影禁止。ご注意くださいませ。

菊野大明神の良縁・悪縁切り祈願

入り口の戸をくぐり進みます。菊野大明神は左手、建物のなかにある祠にまつられています。ここにも参拝の手順が記してありますので、なぞっていきましょう。

ご祈願のやりかた

まず、おまいり前に手水舎で手を清めます。購入したローソク・線香に火をつけ、お供えします。

次に建物に入り、菊野大明神におまいりします。続いて、祠のまわりを時計回りに一周。願いごとを祈りながら進むとよいそうです。護摩木のあるかたは願いごとを書き、お供えします。

かわらけにも願いごとを書きます。良縁祈願のときは、三方の上にお供えを。悪縁切りをお願いするときは、建物の外にある厄払いの石の上に置き、金槌で皿を割ります

かわらけ割りは、自分の厄をかわらけにうつし、これを打ち砕くことで厄を祓うといいます。なんとなく、気分的にもすっきりしますね。割ったあとの破片は、ちゃんと指定のところに納めましょう。

最後に、右手のほうにある豊川大明神におまいりを忘れずに。こちらも火災除け・厄除け・災難除けのご利益があります。

菊野大明神の御霊石

悪縁切り祈願で有名な菊野大明神。その御神体は、境内より発見された御霊石であるといいます。

その昔、絶世の美女と言い伝わる小野小町に求愛した深草少将。それをうとましく思った小野小町は「わたしのもとに百日間通い続けたら、結婚します」と言います。

武者かゞみ 一名人相合
『武者鑑 一名人相合』 出典:国立国会図書館ウェブサイト

少将はその言葉を信じ、毎日通い続けましたが、九十九日目の雪の降る夜に亡くなりました。その百夜通いのときに腰掛けたのが、菊野大明神の御霊石と伝わります。

以前は婚礼のときには、菊野大明神のそばを通らないのが習わしであったとか。実際には百夜通いの伝説は創作といわれますが、縁切りのご利益を求めるかたはいまも絶えません。

京都の縁切りスポットといえば、安井金比羅宮も有名ですね。

京都の安井金比羅宮

www.hanatori-sanpai.com

どちらかといえば安井金比羅宮は友達やグループ連れ、菊野大明神はひとりで静かにおまいりされる女性が多い印象です。

というのも、過去にわたしは縁切りまいりの友人のつきそいで、菊野大明神には何回か訪れたことがありました。最初に連れられてきたときは「こちらに参拝したことは内緒にしておこう」と思ってしまったぐらい、独特の雰囲気があり…。この祠は知る人ぞ知る場所ということでいいのでは、と考えていました。

今回久々に参拝したところ、境内は綺麗に整備、案内板まで作られていて驚きました。気付けば公式ホームページも作られているし。御朱印いただけるのも知らなかったよ…!

以前にくらべておまいりしやすくなった菊野大明神ですが、ひとり静かに祈願できる環境は変わらないでいてほしいものです。

あわせて行きたい 近くの寺社めぐり

最寄りの京都市役所前駅周辺には、本能寺矢田寺(矢田地蔵尊)など、多くのお寺があります。また大福寺はイラストの入った御朱印が人気です。

参考・このときの参拝ルート

安井金比羅宮→法雲寺(菊野大明神)→大福寺→矢田寺(矢田地蔵尊)

基本情報

清水山洗心院 法雲寺(菊野大明神)

所在地:京都府京都市中京区河原町通二条上る清水町364-1
拝観時間:不明
公式サイト:https://www.hounji-kyoto.com/