橿原神宮は大和三山の一つである畝傍山の麓に鎮座します。おみくじの金鵄と鮎は、御祭神の神武天皇ゆかりの授与品です。
(2023-05-25 更新)
金鵄みくじと鮎みくじ
右側が金鵄、左側が鮎のおみくじです。
サイズに違いがあり、鮎みくじのほうが大きく見えます。どちらも陶器製で、置物型のおみくじです。
「金鵄」は「きんし」と読み、金色のトビ(とんび)のことを指します。おみくじも、美しい金色で塗られていますね。
おなかの緑の葉は、橿原神宮の社紋である橿(かし)の葉です。
金鵄の後ろ側は少しとがっており、特徴があります。全体的には下部がふくらみ、ペンギンのような形です。
鳥はおみくじでは比較的多くあるモチーフですが、金鵄は他に見たことがありません。
おみくじの紙は赤い紐を引いて、下側から取り出します。
一方、鮎みくじのおみくじ紙は口から取り出します。赤い紐を引くと、釣り上げられたようにも見えますね。
こちらのおみくじは、銀色がキラキラと光り輝いています。正面から見ても、とてもかわいらしいです。
魚をモチーフにしたおみくじも種類がありますが、鯛がいちばん多い気がします。オリジナルで異なるモチーフのおみくじがある寺社はあまりなく、おみくじ好きにはうれしいところです。
橿原神宮とは どんな神社?
橿原神宮の御祭神は、神武天皇と皇后の媛蹈鞴五十鈴媛命(ひめたたらいすずひめのみこと)です。
『日本書紀』によると、この地は神武天皇が橿原宮を創建し、第一代目の天皇として即位した場所といいます。民間有志の請願により、明治二十三年(1890)に官幣大社として創建されました。
橿原神宮は畝傍山の東麓に位置し、北側には神武天皇の御陵もあります。皇族の方々も、節目ごとに拝礼されるところです。
毎年、初詣の時期には多くの人々が訪れ、奈良県では春日大社に次ぐ参詣者数でにぎわいます。
金鵄と鮎の由来
日本神話によれば、神武天皇は九州・日向の国から東征されたといいます。
大和の豪族との戦いで苦戦していたときに、突如として黄金の鵄が現れ、天皇の弓の先に止まったそう。鵄の放つ、まばゆい光によって敵は倒され、天皇は勝利を収めたと伝わります。
このことから、金鵄はめでたいことの前兆とされる瑞鳥といわれます。
一方、もうひとつのおみくじにある鮎は、戦の勝敗を占うために使われました。
鮎という字は「魚」と「占」で表されており、占いとの関わりが見受けられます。おみくじとしては、うってつけのモチーフですね。
橿原神宮では、毎年5月に初鮎奉献祭が行われます。岐阜県長良川の鵜飼い開きで獲れた初鮎が皇室に献上され、橿原神宮にも奉納されます。
おみくじを引くには
金鵄みくじ・鮎みくじは、外拝殿にある授与所で受けられます。初穂料は、それぞれ500円です。
実は、わたしが先に参拝した際は、金鵄みくじが品切れでした。他の寺社でも同様ですが、おみくじは年始に需要が集中するため、その時期に合わせて入荷されることが多いです。
目当てのおみくじがないときはショックですが、神様が「もう一度、ぜひいらっしゃい」と招いてくださっている!…と、自分を励ましています。
前向きな気持ちで、おみくじ集めを楽しみましょう!
ほかにも引きたい 鮎のおみくじ
愛知県犬山市にある、犬山城下の針綱神社にも鮎のおみくじがあります。
こちらは木曽川の鵜飼いの時期にあわせて、6/1~10/15までの期間限定です。
おみくじは張り子製で、備え付けの棒を使ってつり上げます。形がかわいいだけでなく、釣りの要素も加わっているのがおもしろいですね。
橿原神宮とは離れた場所ですが、機会があればぜひ訪れてみてください。
橿原神宮の基本情報
所在地:奈良県橿原市久米町934
拝観時間:6:00~18:00(授与所:8:30〜閉門まで)
駐車場:あり(有料)
公式サイト:https://kashiharajingu.or.jp/
実際に参拝した日(2018-05-21)の情報をもとに、記事を作成しています。定期的に情報を確認し更新していますが、最新情報と異なる場合があります。