豊臣秀吉の菩提を弔うため、北政所ねねが建立した高台寺。国の史跡・名勝に指定される庭園など、見どころの多いお寺です。最近はアンドロイド観音の法話を始めたことでも話題となりました。
高台寺でいただける御朱印
高台寺の御朱印処は、3か所あります。場所により、御朱印の種類・時間が違いますのでご注意ください。
仏心の御朱印
「仏心」とは仏のもつ心、また仏の悟りのこと。拝観受付のとなりで受けられる御朱印です(授与時間9:00~16:30まで)
この場所には戻れないので、受付を済ませたあとに忘れずいただきましょう。
高台寺天満宮の御朱印
高台寺境内にある、天満宮の「夢」の御朱印。
天満宮となりの売店でいただけます(授与時間9:00~17:00まで)
利生堂の御朱印
利生堂でいただける「安心」「アンドロイド観音」の御朱印(授与時間9:30~16:30まで)
アンドロイド観音の御朱印は法話のある期間にいただきましたが、ないときでも受けられるようです。
高台寺ではそのほかにも、行事などにあわせて限定御朱印を出されるときがあります。くわしくは公式サイトで告知されますので、参拝前にチェックしてくださいね。
高台寺の見どころ
高台寺は慶長十一年(1606)開創。正式には高台寿聖禅寺といい、臨済宗建仁寺派のお寺です。「高台寺」という名は、北政所の院号「高台院」にちなんで称されています。
伏見城から移築した建物もあり、創建当時は壮観をきわめましたが度重なる火災にあい、現在は開山堂・霊屋・観月台・表門・傘亭・時雨亭を残します。いずれも重要文化財に指定されています。
境内広く、見どころもたくさんありますので、順路に沿ってご紹介します。
桃山時代を代表する庭園
ねねの道より境内に入ります。
大門をくぐって左に見える建物が、庫裡(くり)。さらに左手に行くと、拝観入口です。ここより拝観は有料。大人600円(中高生250円)を納めます。
受付を済ませ、順路の通りに進むと、遺芳庵(茶室)が見えてきます。こちらでは定期的にお茶会が開かれている模様。
さらに進むと、池が見えてきます。建物につながる廊下は、屋根のついた楼船廊です。
廊下の中ほど、特徴的な唐破風の屋根がわかるでしょうか? この観月台から、月をながめていたそうです。日本庭園に浮かぶ月…さぞや、風情のある眺めでしょうね。
庭園は小堀遠州の作。ふたつの池を中心とする池泉回遊式の庭園で、桃山時代を代表するものとして知られています。
その石組は力強く、実に見事…だそうですが、わたしは庭園くわしくなく、さらりと流してしまいがちです…。
(今回も写真振り返ればアオサギばかり。石組どうした!)
勉強しなければと今ごろ反省しつつ、気を取り直して方丈にあがります。
ここがいわゆる本堂的な位置付けで、御本尊・釈迦如来が安置されています。
建物の前には、白砂の波心庭が美しく広がります。参拝のかたもゆったりと座り、景色を眺めていました。なんとなく心が落ち着く風景です。
木像をまつる開山堂・霊屋
庭園の中心に建つ開山堂は、高台寺開山の三江紹益禅師の木像をまつります。あわせて北政所の兄の木下家定とその妻・雲照院、普請に尽力した堀直政の木像も安置されます。
その開山堂と、龍の背のような廊下(臥龍廊)でつながっている建物が霊屋(おたまや)。
秀吉と北政所の木像をまつる、神聖な場所です。
それぞれの像を安置する須弥壇・厨子の扉には、豪華な蒔絵がほどこされます。こちらは高台寺蒔絵と呼ばれ、桃山時代を代表する意匠といいます。
北政所は自身の像の地下に葬られているそうです。
内部きらびやかな装飾ですが、おごそかな雰囲気がただよいます。独特の空気を感じるお堂です。
千利休ゆかりの傘亭・時雨亭
さらに順路を進みます。少し高い場所に見えてくる茶室が、傘亭と時雨亭です。
傘亭は屋根に竹が放射状に組まれ、唐傘に見えることからこの名がつけられたとか。二階建ての時雨亭とは土間廊下でつながり、どちらも千利休の意匠と伝わります。
高台寺の境内は庭園や茶室・竹林など、日本ならではの風景が多い印象です。外国の観光客でにぎわっているのも納得ですね。
有料の拝観場所はここまでになります。
高台寺の鎮守社 高台寺天満宮
有料エリアを出て、駐車場のほうへ向かう途中に天満宮があります。こちらは北政所が崇拝していた綱敷天満宮より勧請、高台寺の鎮守社としたものです。
右手には売店があり、天満宮の御朱印はこちらでいただけます。
オリジナルの御朱印帳や、秀吉とねねちゃんのおみくじもあり。参拝の記念やお土産にいいですね。
おみくじについては、こちらの記事もどうぞご参考に。
新しい時代の法話 アンドロイド観音
最後に利生堂にまいります。天満宮より駐車場をはさんで南、少し離れた場所に建ちます。
比較的新しいお堂で、内部は色あざやかな大涅槃壁画でぐるりと囲まれます。こちらも御朱印の授与所ですので、忘れずにいただきましょう。
隣接する教化ホールでは、アンドロイド観音マインダーの御開帳と法話を聞くことができます(※期間限定)
「人ではなくアンドロイドが法話をするなんて」と、当初はさまざまな物議をかもし、話題になりました。
せっかくなので、わたしも実際に体験しました。
プロジェクションマッピングとともに、アンドロイドの上半身が動きます。身振り手振りにあわせて、わかりやすい言葉で語りかけ、般若心経について説いていきます。
想像していたより、かわいらしいお声の観音様です。
最初は、アンドロイドの動きや映像のほうが気になりました。やや落ち着かない気持ちでしたが慣れるにつれ、違和感なく法話が頭に入るように。
次第に話にひきこまれ、最後まで興味深く拝聴しました。
法話時間は約30分。新しい説法のかたちとして、こういう試みもいいかもしれません。外国のかたも多く参加されていましたよ。機会があれば、ぜひ体験してみてください。
法話は時期や時間が限られていますので、くわしくは公式サイトでご確認を。Twitterでも、随時情報を発信されています。
鷲峰山 高台寺 (@KodaijiFb) / Twitter
あわせて行きたい 近くの寺社めぐり
高台寺の北には八坂神社、南は八坂の塔や八坂庚申堂などが近く、御朱印もいただくことができます。あわせて巡ってみてはいかがでしょうか。
基本情報
鷲峰山 高台寺
所在地:京都府京都市東山区下河原町526
拝観時間:9:00〜17:30(受付17:00まで)
公式サイト:https://www.kodaiji.com/