高野山真言宗の総本山、金剛峯寺。名だたる絵師が手がけた襖絵や、国内最大級の石庭「蟠龍庭」などを拝観しました。
高野山 金剛峯寺でいただける御朱印
御朱印窓口は、拝観受付の手前にあります。
御朱印帳は、高野山にお店のある「法徳堂」のものを使っています。
表紙は壇上伽藍、裏表紙には大門が描かれます。紙質も良いのでおすすめ!
金剛峯寺の見どころ
明治二年(1869)、豊臣秀吉ゆかりの寺院であった青巌寺と興山寺を合併し、改められたのが金剛峯寺です。
もともと「金剛峯寺」とは、『金剛峯楼閣一切瑜伽瑜祇経(こんごうぶろうかくいっさいゆがゆぎきょう)』というお経にもとづいて弘法大師が名付けられた、高野山全体をあらわす名称でした。
現在は全国3600寺におよぶ高野山真言宗の総本山として、宗務をつかさどるお寺となっています。
秋におまいりしたときは楓が色付き、撮影スポットとしてにぎわっていた表門前。この日は葉も落ち、すっきりとした印象です。
建物大きいですね! なにげに屋根の上の桶が目をひきます。
こちらは主殿ですが、渡り廊下で別殿・奥殿につながります。
大玄関は装飾も見事。拝観入り口は、この玄関の右手側です。
靴をぬいで進むと、まず御朱印窓口があります。通常は先に帳面を預けてあとで受け取る方式ですが、この日はすいていたのですぐに受けられました。
御朱印窓口となりが拝観受付です。大人1000円、小人300円を納めます。
大主殿
主殿は文禄二年(1593)、豊臣秀吉が母堂の菩提のため寄進した青巌寺がもととなります。現在の建物は文久三年(1863)の再建です。
順路を進むと、まず大きな部屋があります。御持仏の前にあるこの大広間では、重要な儀式や法会がおこなわれます。
襖には群鶴図。江戸時代に活躍した雲谷等顔の弟子・斉藤等室の筆とのこと。大きな松と群れをなして飛ぶ鶴が力強く描かれます。
御持仏・本尊の弘法大師坐像はふだんは見ることができませんが、御開帳されるときもあるようです。
大広間のとなりは梅の間。襖の絵は、梅の花に月。描いたのは狩野探幽斎守信と伝えられています。
続く間の柳鷺図は、山本探斉によるもの。ここは豊臣秀吉に追放された二代目関白・秀次が自害した座敷としても有名なところです。
襖には雪が積もった柳に鷺がたたずみ、どこかさびしくも感じる風景です。
別殿・蟠龍庭
順路に沿って、次は別殿にまいります。昭和に入り、弘法大師御入定1100年・御遠忌大法会の際に建てられた建物です。
襖には四季の花、弘法大師の入唐の光景などが描かれます。主殿の襖絵とはおもむきが変わり、明るい色合と繊細な線画が素敵。
そして縁側に出ると、白砂の庭が大きく広がります。建物も取り巻く庭も、たいへんな奥行きです。
この蟠龍庭は、石庭としては国内でもっとも大きなものといいます。
白砂は雲海、大きな石組みは雌雄二匹の龍をあらわしています。
龍が奥殿を守るように泳いでいるのですが、なにぶん広すぎて写真におさまりませんね。このあたりは龍の尾のほうかな?
別殿の両側には休憩所となっている新別殿、グッズやお守りが購入できる売店もあります。
真然廟
別殿をぐるりとまわり、ふたたび主殿にもどります。
上檀の間は、昔は天皇・上皇の応接間として使われたところ。現在は重要な儀式に使用されます。
壁は総金箔押し。金がまぶしい! なんだか落ち着かないのは庶民の感覚か…。
対照的に、奥書院は水墨画。雪舟の4代目、雲谷等益とその息子・等爾の筆によるものとのこと。
また稚児の間には狩野探斎筆と伝わる襖絵、奥に地蔵菩薩がまつられます。
さらに順路を進むと、真然廟をのぞむ場所に案内されます。
真然大徳(しんぜんだいとく)は空海の甥であり弟子であったと伝えられ、弘法大師御入定あとの高野山発展に力を尽くした人物です。
廟は寛永十七年(1640)に建てられ、平成に入り真然大徳1100年御遠忌にあわせて解体修理されました。
当初は真然堂と呼ばれていましたが、発掘調査時にお骨が納められた舎利器がみつかり、真然廟とあらためられました。
台所
ここまで数々の襖絵を見てきたため、お寺にいながらも美術鑑賞のような気分になりつつありました。が、最後に出てきたのは大きな台所。
煤で黒くなった梁、無骨なかまど、大釜、煙突、水飲み場、神棚など。いきなりお寺の裏側をのぞくような感じで、逆におもしろかったです。
襖絵のある室内は撮影禁止のため、イメージしづらい紹介ですみません。(いまさらですが、台所は撮影オッケーだったかもしれない…)
参拝の参考になればさいわいです。
あわせて行きたい 高野山めぐり
高野山にはまだまだ多くの見どころがあります。
弘法大師入定の聖地・奥之院のほか、金堂・根本大塔などのお堂が集まる壇上伽藍もおすすめです。
基本情報
高野山 金剛峯寺
所在地:和歌山県伊都郡高野町高野山132
拝観時間:8:30~17:00
公式サイト:https://www.koyasan.or.jp/