京都東山にある六波羅蜜寺。開創は空也上人…といえば、口から小さな阿弥陀仏を吐き出している仏像を思い出すかたも多いのではないでしょうか。その有名な像も、宝物館で拝観できます。
六波羅蜜寺でいただける御朱印
西国三十三所の御朱印
通常はこちらの御朱印が授与されます。西国三十三所では、御詠歌の御朱印もいただくことができます。
都七福神(弁財天)の御朱印
京都最古の七福神をめぐる都七福神。六波羅蜜寺は弁財天をまつります。
また「洛陽三十三所観音霊場」、「神仏霊場巡拝の道」の札所でもあるので、こちらの御朱印もいただけます。
六波羅蜜寺の見どころ
六波羅蜜寺は天暦五年(951)創建。当時京都に流行した悪疫退散のため、空也上人みずから十一面観音像を刻み、御仏を車に安置して市中を曳きまわり、念仏を唱えて病魔を鎮められたといいます。
『観音霊験記』 出典:国立国会図書館ウェブサイト
平安後期には一帯に平家一門の邸館がならび、たいへん栄えた場所であったそうです。
六波羅蜜寺の境内は、自由に参拝できます。宝物館もあわせてごらんになりたいかたは、先に受付で宝物館の拝観料を納めます。大人600円・学生500円・小学生400円です。
それではまず、本堂にまいりましょう。
西国第十七番札所霊場
本堂には御本尊・十一面観音立像が安置されています。国宝に指定されている仏像ですが、残念ながら秘仏。通常は拝観できません。
御開帳は12年に一度、辰年とのことです。次回は2024年予定なので、忘れずにまたおまいりしたいと思います。
御本尊のお姿を見ることはできませんが、本堂には上がれます。
扉の閉じた御厨子にむかい、参拝します。建物のなかなので少々暗く見づらいのですが、正面には花や飛天が舞い、美しい装飾がほどこされています。
目の悪いわたし、もっとよく見られれば…と思っていたところ、その意匠を図案化した御朱印帳がありました。
心なしか、飛天の表情がゆるめなのが良いですね。
色は赤・青・黒色の三色、種類がありました。どれもはっきりとした色なので、金の箔押しとの相性が良く、迷います。結果、明るい色にひかれて赤をいただきました。
売店にはほかにも、かわいらしい柄の御朱印帳があります。興味のあるかたは、御朱印をいただく前にのぞいてみてくださいね。
平安・鎌倉期の仏像拝観
本堂の左手側、奥は宝物館に続いています。有料ですが、貴重な仏像を間近で拝観できます。仏像見仏好きのかたは、必見です!
注目は、やはり空也上人立像。
「ひとたびも 南無阿弥陀仏という人の 蓮(はちす)の上にのぼらぬはなし」
『拾遺和歌集』
「一度でも念仏を唱えたひとはかならず極楽往生する」
念仏の祖といわれる空也上人の教えや生き様が伝わってくる、素晴らしい像です。
とくに口元の阿弥陀仏が印象的ですよね。これは上人が唱えた「南無阿弥陀仏」の念仏が、小さな仏となったという伝承をあらわしています。
また経を持った僧形の像は、平清盛坐像と伝わります。こちらも歴史が好きなかたは、見覚えがあるのではないでしょうか。
そのほかにも、十輪院が運慶一族の菩提寺という縁があったことから、運慶作の地蔵菩薩坐像、運慶・湛慶の父子の坐像、薬師如来坐像など、重要文化財がずらりと。
それほど広い空間ではないのですが、密度が濃い…! バラエティー豊かな像が並んでいます。ふだん仏像に縁のないかたも、この機会にぜひどうぞ。
都七福神 弁財天
濃い仏像にもまれた後は、本堂むかって左手にある弁財天堂へ。
都七福神のひとつ、六波羅弁財天は崇徳天皇の夢告によりつくられたのがはじまりとされています。
実は六波羅蜜寺では、もうひとかた弁財天がいらっしゃいます。それは銭洗い弁財天、本堂むかって右手のお堂にいらっしゃいます。
像の前に置いてあるざるにお金を入れ、柄杓の水を三回にわけてかけて清めると、金運のご利益があるそう。
お金が関係すると、いつも以上に真剣になってしまうのはなぜなんでしょう…わたしだけではないはずだ。
御朱印もこちらのお堂でいただけますので、最後に忘れずにおまいりしましょう。
あわせて行きたい 近くの寺社めぐり
六波羅蜜寺のすぐ北側には、子育地蔵尊・西福寺があります。
また六道珍皇寺や建仁寺、安井金比羅宮などの寺社も近く、御朱印もいただけます。
基本情報
補陀洛山 六波羅蜜寺
所在地:京都府京都市東山区五条通大和大路上ル東
拝観時間:8:00~17:00(宝物館:8:30~17:00)
公式サイト:https://rokuhara.or.jp/