奈良・葛城の古寺、當麻寺。その境内で、いちばん規模の大きい塔頭寺院が奥院です。春には浄土庭園に牡丹の花があざやかに咲き誇ります。
當麻寺奥院でいただける御朱印・御朱印帳
宝物館から本堂までのあいだにある、納経所で受けられます。
法然上人の御朱印
法然上人ゆかりの寺院をめぐる、円光大師二十五霊場第九番の御朱印です。
浄土変相の御朱印
法然の高弟・証空ゆかりの寺社をめぐる、西山国師十六霊場第十四番の御朱印です。
當麻寺奥院の御朱印帳
當麻曼荼羅をあしらった御朱印帳です。金・銀の二色、色違いがあり。曼荼羅の図柄が繊細に表現されており、たいへん美しいです。中の紙質も良いですよ。
納経所のほか、受付や宝物館でも販売されています。
當麻寺奥院の見どころ
當麻寺奥院は浄土宗総本山知恩院の「奥之院」として建立され、当初は往生院と称されていました。御本尊も、もとは知恩院の本尊として安置されていたものだそうです。
奥院の場所は當麻寺の後方、いちばん奥になります。入り口の仁王門からは、まっすぐ本堂の横を通っていくとわかりやすいです。
先に當麻寺の本堂(曼荼羅堂)に参拝されるかたは、こちらの記事もどうぞご参考に。
奥院受付で入山料を納めて拝観します。大人500円(小人250円)です。
順路ではまず宝物館へとの案内でしたので、こちらでもその順番でご紹介します。
寺宝を展示 宝物館
當麻曼荼羅 延宝本
當麻寺といえば曼荼羅堂・御本尊の「當麻曼荼羅」が有名ですが、その原本は織物。宝物館にはそれを写したもののひとつ、延宝本をみることができます。
西方の極楽浄土を表現した、繊細な絵画です。正確には「観無量寿経浄土変相図」といって、浄土三部経のなかの教えをあらわしたものだそう。
奥院では、原本の曼荼羅と同じ技法で再現された綴織當麻曼陀羅も所蔵されます。こちらは毎年11月初旬に公開されるとのこと。
ここだけの話、わたしは當麻曼荼羅に写本や再現本やら複数あることを知らず…「どれが本物の原本?」と現地で混乱していました。
ちなみに原本は、基本非公開のものだそうです。えぇ、知らなかったよ…
二十五菩薩来迎像
二十五の菩薩が、わたしたちを極楽浄土に迎えに来られる姿をあらわした仏像群です。絵画では見たことがありますが、仏像ではわたしははじめてかも。
楽器を持ったり踊ったり、動きのある菩薩像はどれも個性があります。見ていて飽きない…。こんな菩薩たちに迎えに来てほしい。
當麻寺では毎年4月14日に練供養会式(ねりくようえしき)が開かれます。二十五の面をかぶった菩薩たちが、中将姫を極楽浄土へ迎えにこられる行事です。
こちらもあわせて、一度拝観してみたい!
宝物館ではほかにも国宝の倶利伽羅竜蒔絵経箱など、貴重な宝物を見ることができます。
奥院本堂 法然上人御影堂
奥院本堂は御影堂とも呼ばれます。
本堂には、本尊の円光大師法然上人坐像を安置。南北朝動乱最中の応安三年(1370)、知恩院の第12世誓阿普観上人が後光厳天皇の勅許を得て遷されました。
像は通常非公開。毎年2月24日の命日法要のときのみ御開帳、拝観することができます。
また本堂の右手にある大方丈は、11月中旬~12月上旬ごろに襖絵や庭園を特別公開されています。ごらんになりたいかたは、時期をあわせてご参拝ください。
極楽の池をめぐる 浄土庭園
本堂、阿弥陀堂と並んだその奥にあるのが浄土庭園です。さっそくめぐってみましょう。
入り口近くには重要文化財の楼門。新緑のなかを進むと、藤棚や渓流などの石組が続きます。
こちらの風景は、現世をあらわしているといいます。このあたりだけでも十分な広さがあり、とても美しいです。
さらに進むと極楽の池「宝池」が見えてきます。ここからはさらに大きく、浄土の世界が広がります。
池の奥にいらっしゃる阿弥陀如来像がわかりますか?
まわりには、大きな石がたくさんあります。
これらの石は太閤石といわれるもの。豊臣秀吉公が大阪城を築城するにあたり、西国から集められました。
この石組で、仏をあらわしています。阿弥陀如来を囲んで、さまざまな形の仏様がいらしゃるのですね。まさに浄土の庭園です。
季節折々の風景が楽しめますが、とくに人気があるのが春に咲く牡丹の花。仏様のお供えにと、奥院の歴代住職が植樹したのがはじまりだそうです。
わたしが訪れたのは5月上旬。牡丹の見ごろには、少し遅かった…。残っている数少ないお花を写真におさめるために、若干苦労しました。
見ごろなどは、公式Twitterなどをチェックされるといいかもしれません。
當麻寺 奥院(@TaimaderaOkuin) / Twitter
本当は2020年リベンジ予定だったのですが、新型ウイルスの影響で断念しました。またあらためて参拝したいと思います。
あわせて行きたい 當麻寺の塔頭
當麻寺は奥院のほかにも、中之坊・護念院・西南院などたくさんの塔頭寺院があります。御朱印も、それぞれの場所でいただけます。
庭園・仏像の拝観のほか、お抹茶をいただけたり、写経・写仏体験できる塔頭もあります。
基本情報
二上山 當麻寺 奥院
所在地:奈良県葛城市當麻1263
拝観時間:9:00〜17:00
公式サイト:http://www.taimadera.or.jp/