信貴山の東南麓、大和川近くにある龍田大社は「風の神」をまつります。同じく大和川沿いにある水の神・廣瀬大社とともに、古くより崇敬されてきた神社です。
龍田大社の御朱印
通常いただける御朱印
社務所でいただきました。「神」の字の縦棒が長いのは、廣瀬大社と同じですね。
窓口に龍田大社の社紋・八重の楓の小さなスタンプが置いてあったので、御朱印の端に押してみてもいいのかも?(と、家に帰ってから気づきました…時すでに遅し!)
「龍」の漢字の最後の三本線のところは、「テ」型に記されます。これは「龍」の字を「りゅう」ではなく、「たつ」と読むための表記とのこと。
限定の御朱印・御朱印帳の情報
毎月1日に執り行われる「ご神縁祈願祭」に参列すると、限定の御朱印帳に八重の楓印が押された特別御朱印がいただけます。祈願料は五千円、完全予約制とのこと。
社務所に見本がありましたが、黒字に金の龍の図柄がクールな御朱印帳。人気があるのも頷けます。
龍田大社の見どころ
龍田大社のある場所は、大和川と竜田川・葛下川の合流点近く。最寄り駅のJR大和路線三郷駅よりは徒歩5分ほどですが、坂道を上ります。
駐車場は鳥居のすぐ前にありますので、車でも参拝しやすいですね。
大きな鳥居の奥、山を背に社殿が見えます。参道は幅が広く、きれいに整備されています。
龍田大社は風の神ということで、「風の強い場所なのかな?」と想像していました。が、とくにこの日はそういうわけでもなく。むしろ、暑い…
2020年、猛暑の夏が終わり、秋のはじまりの参拝でした。
「ようこそ!」と言っているかのような愛嬌ある狛犬に迎えられ、拝殿よりおまいりです。
まつられる風神
主祭神は天御柱大神(あめのみはしらのおおかみ)と、国御柱大神(くにのみはしらのおおかみ)。別名をそれぞれ志那都比古神(しなつひこのかみ)・志那都比売神(しなつひめのかみ)といいます。
大気・生気・風力を司る龍田の風神として、古くより信仰されてきました。
由緒略記によると、創建は崇神天皇の時代。凶作・疫病が流行していたとき、天皇の夢で御神託がありました。その通りに龍田の地に宮を造営したところ、疫病はやみ、豊作になったと伝わります。
拝殿の横からでは少し確認しづらいのですが、中央に本殿がふたつ並びます。
向かって左側にある、ふたつの摂社にまつられるのが龍田比古命(たつたひこのみこと)・龍田比売命(たつたひめのみこと)。龍田の地を守護されてきた氏神といいます。
向かい合って右側には末社が3社並びます。奥より天照大御神と住吉大神、枚岡大神と春日大神、高望王のお妃(平家の祖先)をまつります。
拝殿より左側に行くと、白龍神社・龍田恵美須神社・三室稲荷神社が並びます。
白龍神社は縁結び・浄難災難除けの神様とのこと。水を好まれるということで柄杓を使い、御神石に水をかけて祈願。水掛け不動のような、おもしろいおまいり方法ですね。
龍田大社は紅葉の名所としても有名。この日は境内より見る木もまだ青々としていましたが、これから美しく色付いていくことでしょう。
風神の祭~風鎮大祭や風鈴まつり
龍田大社の行事のなかで、重要なもののひとつが風鎮大祭です。
天武天皇の時代より始まるお祭りで、風水の害や凶作・疫病などがないように祈願。現在は7月の第一日曜日に執り行われます。
剱舞や民踊などの奉納行事の後、最後はダイナミックな風神花火で締めくくられます。
またSNSでよく写真を見かける行事が風鈴まつり。こちらは8月15日の終戦記念日に行われます。
拝殿前にはたくさんの素焼きの風鈴がかけられ、写真だけでも涼しげな雰囲気が伝わってきますね。
風の神をまつる神社ならではの風景が、人気の理由なのかもしれません。
風鈴は8月末ごろまではつられているようなので、今度は時期をあわせておまいりしようかと思います。
あわせて行きたい 廣瀬の水神
風の神・龍田大社と並び称される神社が、水の神・廣瀬大社です。龍田大社からは、車で20分ほどの場所に鎮座します。
『日本書紀』には天武天皇の時代に風神を龍田立野に、大忌神を廣瀬河曲にまつったとの記述があります。
くわしくは、こちらの記事を参考にどうぞ。
廣瀬大社→龍田大社
基本情報
龍田大社
所在地:奈良県生駒郡三郷町立野南1丁目29−1
拝観時間:(授与所受付時間)9:00~17:00
公式サイト:https://www.tatsutataisha.jp/