京都東山にある得淨明院は、信州善光寺大本願の京都別院として建立された尼寺。初夏にはアヤメの花・一初(イチハツ)が見ごろをむかえます。特別拝観の期間に、参拝しました。
得淨明院の御朱印
一光三尊阿弥陀如来の御朱印
御本尊の御朱印です。
一初の御朱印
限定の書置き御朱印は複数、種類がありました。せっかくなので一初の御朱印を。
銀の文字がキラキラしています。
得淨明院の見どころ
得淨明院は通常非公開のお寺です。ときどき特別公開されますが、一初の咲く4月下旬~5月上旬にかけてが多いようです。
わたしは5月初め、京都非公開文化財特別公開のときに参拝しました。
信州善光寺大本願の京都別院
「一生に一度は善光寺参り」で有名な長野県の善光寺。大本願はその歴史をともにしてきた尼僧寺院です。
明治二十七年(1894)第117世誓圓尼公上人が「関西の近くで善光寺如来とのご縁を結ばせたい」との思いから建立されたのが、得淨明院のはじまり。当時はまだ交通の便が悪く、信州までおまいりするのはたいへんだったのでしょうね。
得淨明院へ行くには、知恩院前の通りから京都華頂大学と高等学校の間を北に上ります。
特別公開時は、御本尊にもおまいりできます。拝観料をおさめ、まずは本堂にまいりましょう。
本尊 一光三尊阿弥陀如来
本堂には、信州善光寺の御分身を安置します。
中央に阿弥陀如来、向かって右側に観音菩薩、左側に勢至菩薩が大きなひとつの光背の中に立っている一光三尊阿弥陀如来が御本尊です。
本堂内、あがって拝観できます。しかし、御本尊は小さな仏像のうえ、少し遠い…。
善光寺式阿弥陀三尊は印相に特徴があり、下げた左手は人差し指と中指を伸ばし、他の指を曲げる「刀印」というめずらしいかたち。
目の悪いわたしには、残念ながら刀印まではとても確認できず。心の目でおまいりしました。
結縁のお戒檀巡り
信州善光寺では、お戒壇巡りができることでも有名です。
お戒壇巡りとは、本堂の床下にある真っ暗な回廊を巡り「極楽の錠前」に触れることで、真上におられる御本尊と結縁を果たす道場のことをいいます。
じつは、得淨明院の本堂でもお戒壇巡りができます!
では本堂内、右手側にある階段を降りて巡り始めましょう。
床下は少しの光もなく、まったくの暗闇です。一面真っ暗というのは、これまでにない体験。なんともいえない圧迫感があります。音も自分の息遣いしか聞こえません。
壁伝いに歩き進めるうちに、だんだんと心細くなってきます。ほんとうにこの方向であっているのかな…、途中で迷子になったらどうしよう?
不安な気持ちが続くと、自然と阿弥陀如来の存在を感じるようになります。上で見守ってくださっているから大丈夫…と、心のなかで南無阿弥陀仏の言葉を。
なんとか前へと進み、無事結縁を果たすことができました!
これで往生の際に、迎えに来ていただける約束になるそう。ありがたい~。
お戒檀巡りは係りのかたが順番に、入り口まで案内してくださいます。混んでいるときは長く待つこともあるので、時間に余裕を持っておまいりください。
一初の花咲くお庭
境内は紫の花が咲き、とてもきれいです。「一初」はアヤメ類のなかでいちばん早くに咲くことから、この名がついたといいます。
参拝時は、満開から咲き終わりぐらいのころでした。見ごろのときより、花の数は少なかったのかもしれません。
お庭には座れる場所もあります。ゆっくりと観賞したり、写真を撮ったりできますよ。
あわせて行きたい 近くの寺社めぐり
浄土宗の総本山、知恩院。得淨明院の建つ場所はかつて知恩院の敷地だったこともあり、東に進むとすぐに門が見える距離です。この機会に、あわせての参拝もおすすめです。
また八坂神社や高台寺も近く、御朱印もいただけます。
基本情報
本覚山 得浄明院
所在地:京都府京都市東山区新橋通大和大路東入3丁目林下町459
拝観時間:9:30〜16:00
公式サイト:なし