日本三庚申のひとつといわれる、京都の八坂庚申堂。近年SNSでは、カラフルなくくり猿を背景にした写真が人気。多くの参拝者でにぎわうようになりました。
八坂庚申堂の御朱印
「見ざる聞かざる言わざる」まるっこい三猿に、のびのびとした墨書き。シンプルな朱印と墨のみながら、寺社独自の特徴ある御朱印がわたしは大好きです。
八坂庚申堂の見どころ
八坂庚申堂は、正式には「金剛寺」という天台宗のお寺です。
わたしが参拝したのはゴールデンウィーク期間。お寺の周辺はかわいらしい着物姿の女性観光客が多く、入り口からすでにたいへんなにぎわいです。
門をくぐると、人気のくくり猿がすぐ目の前にあり。
まっすぐそちらに行きたくなりますが…
「まず本堂へお参り その後 写真撮影自由」
門前や境内にある注意書きを守り、かならず初めは本堂に参拝しましょう。
庚申信仰のお寺
本堂にまつられているのは、青面金剛(しょうめんこんごう)。庚申信仰の御本尊です。
庚申信仰は中国の道教に由来し、日本の習俗や仏教などとまじりあい発展した民間信仰のひとつ。江戸時代がもっとも盛んだったそうです。
八坂庚申堂は、大阪の四天王寺庚申堂・東京の入谷庚申堂とあわせて「日本三庚申」とされ、日本における庚申信仰発祥の地ともいわれています。
本堂には、御朱印にもある三猿の像も並んで置かれています。
猿は魔よけの神使いとして縁のある神社もありますが、庚申信仰との関係も深い動物です。庚申の「申(さる)」の字からつながった、ともいわれます。
庚申堂の境内では、いろいろな場所に猿がかくれていますよ。おまいりのあとに、さがしてみるのもいいですね。
欲望の戒め くくり猿
本堂脇にも、まるっこい形をしたくくり猿がまとまってさげられ、境内全体そのボリュームに圧倒されます。
名物のこのくくり猿、実は猿が手足をくくられて動けない姿を表しています。
「欲望のままに行動しないように」ということを、自由を封じた猿の姿になぞらえているそう。
そんな由来を知ってしまうと、くくられている姿はなんだかつらそう…? いやいや、こんなにたくさんの欲望が戒められているということですよね!
新しいくくり猿は、本堂むかって左手側にある建物でいただけます。
マジックで直接願いごとを書き、あいているところに自分でくくりつけて奉納します。
欲をひとつ我慢することが、願いをかなえるためには大事だそうですよ。ぜひ気に入った猿を選んで、願掛けをしてみてください。
御朱印も、くくり猿とおなじ場所で受けられます。猿にちなんだお守りなどもあり、こちらもとてもかわいいらしいです。
https://t.co/UwCw6uXPQL
— 毎日新聞写真部 (@mainichiphoto) September 20, 2016
【驚都・きょうと】欲封じ、願いかなえる「くくり猿」。京都・東山区の八坂庚申堂での光景です。 pic.twitter.com/Hb8fTkHzRq
写真撮影は自由にできますが、信仰あるお寺の境内になります。どうぞマナーは守って楽しんでください。
あわせて行きたい 近くの寺社めぐり
八坂庚申堂から坂をあがってすぐ、京都東山のシンボル「八坂の塔」法観寺があります。
不定期の開門ですが、中に入って拝観でき、御朱印もいただくことができます。タイミングあいましたら、あわせてどうぞ。
基本情報
大黒山 金剛寺 庚申堂 (八坂庚申堂)
所在地:京都府京都市東山区金園町390-1
拝観時間:9:00〜17:00
公式サイト:なし