花鳥参拝帖

参拝した寺社の見どころや御朱印・おみくじの紹介

【島根】美保関めぐり・前編|美保神社~青石畳通り

島根の美保関の美保神社

美しい海に囲まれた港町・美保関。寺社でいただいた御朱印とあわせて、ご紹介します。はじまりは、国譲り神話の神事が守り継がれる美保神社です。

(2021-12-18 更新)

港町・美保関

島根の美保関

美保関は島根半島の東端、三方を海に囲まれた漁港の町です。江戸時代は北前船の港として栄え、通りには多くの廻船問屋が軒を連ねたといいます。

夏の暑い盛り、境港方面より車でアクセス。おさかな大橋と呼ばれる境水道大橋を渡り、海岸線を走ります。

途中、男女岩と呼ばれる特徴ある岩が見えてきたら、美保関はもうすぐ。時間にして20分ほどで到着です。美保神社の手前、美保関文化交流館の海側奥に無料の駐車場がありました。

公共の交通機関を利用する場合はコミュニティバス、またはゑびすライナーと呼ばれる直通バスがあります。本数が限られますので、美保関の公式観光サイトでご確認ください。

美保関町観光公式サイト|バス時刻表

美保関の弁天波止場

港には弁天波止場と常夜灯が。美しい海を背景に、早速テンションがあがります!

まずは駐車場やバス停からも近い、美保神社に参拝しましょう。

美保神社

美保神社の歴史は古く、『出雲国風土記』や『延喜式』にも記される由緒ある神社です。全国にある事代主神をまつるえびす社の総本宮として、広く信仰されます。

えびす社の総本宮

「えびす社の総本宮」といえば、関西住みのわたしはまず兵庫の西宮神社が浮かびます。えびす様とされる神はさまざまあるのですが、大国主命の子「事代主神」か、イザナギ・イザナミの子「蛭子命」とされるところが多く、西宮神社は蛭子命をまつるえびす社の総本宮とされています。

www.hanatori-sanpai.com

記紀神話では、国譲りの意向を聞くために大国主神より相談を受けたとき、事代主神は美保関で釣りをしていたそう。このことが海の神漁業の神えびす様としてまつられるようになったといわれます。

この国譲り神話を儀礼化した神社の神事が、毎年4/7に執り行われる青柴垣神事と12/3の諸手船神事。伝統ある祭りは、いまもこの地で守り継がれています。

美保造りの社殿

美保神社の鳥居の前

鳥居の前には、導くように青石の石畳が敷かれています。海から切り出したこの石、乾いているときはやや薄い緑色ですが、雨の日には青く空色に光るといいます。

美保神社のおかげの井戸

鳥居のそばにあるのは古い井戸。その昔、干ばつが続いたときに宮司が雨乞いをしたところ、水が湧き出たと伝わるおかげの井戸です。

井戸はふさがってますが、いまは横のポンプから水が汲めるようです。

美保神社の神門

参道を進むと立派な注連縄の神門が見えてきます。

門をくぐると、すぐ目の前に本殿と拝殿。まわりはぐるりと山が囲みます。

まず、その社殿の大きさに圧倒されます…!

美保神社の社殿

本殿は大社造りを2棟並べて装束の間でつなぐ、美保造りと呼ばれる特殊な造り。

屋根が複雑に重なっていますね。

美保神社の社殿の屋根

向かって左手の社殿にまつられるのが、漁業をはじめとする生業の神・事代主神(ことしろぬしのかみ)。右手が農業と子孫繁栄の神・三穂津姫命(みほつひめのみこと)です。

三穂津姫命は大国主命の御后神、事代主神は大国主命の第一の御子神。義理の母と子という微妙な(?)関係です。

美保神社の拝殿

本殿につながる拝殿には壁がなく、梁はむき出しで天井もありません。こちらは船を納める倉庫・船庫を模しています。漁業の神様をまつるにぴったりな社殿ですね。

えびす様は鳴り物がお好きだそうで、拝殿では歌舞音曲の奉納もされるそうです。山に囲まれた広い空間なので、きっと良い音が響くことでしょう。

境内まわり、そのほかには摂末社・安産のご利益ある御霊石(おたまいし)など。偶然見かけてなんとなく写真を撮ったこの亀さんは、幸運の石像だと帰ってから知りました…

美保神社の幸運の亀

もうちょっと、幸せを味わえば良かったですね。

美保神社の御朱印

美保神社の御朱印

社殿まわりを一周したあと、授与所で御朱印をいただきました。

御朱印帳はいくつか種類がありましたが、鯛が稲穂をくわえた表紙のものを拝受。絵馬やお守りにもあるこの図柄は、二柱の御祭神を表しているそうです。淡い色合いが素敵ですね。

美保神社の御朱印帳

御朱印を待つあいだ、奉納額をながめます。種々さまざま、おもしろい~。

美保神社の奉納品

美保神社の月次祭では、月ごとに色が変わる月次御幣・限定の金色の鯛守りや金字の御朱印が受けられます。

行事や祭については、くわしくは公式サイトをごらんください。

基本情報

美保神社

所在地:島根県松江市美保関町美保関608
拝観時間:参拝自由(授与所:8:30~)
公式サイト:http://mihojinja.or.jp/

青石畳通り

美保関の青石畳通り入り口

続いておかげの井戸の横より、小道を入ります。こちらが青石畳通りと呼ばれる通りです。

石畳で敷き詰められ、かつては廻船問屋や宿屋でにぎわった町の本通り。物資の積み下ろしがしやすいように、海石で舗装されています。

美保関の青石畳通り

いまも旅館やお店が軒を連ね、風情のある街並みが残ります。訪れたのは暑い日でしたが、風鈴が軒先に揺れ、なんとも涼やかな雰囲気です。

途中には大正モダンを感じる旅館も。美保館 本館は数奇屋造りの木造建築で、有形文化財に登録されています。

島崎藤村など、数々の文豪が滞在した部屋も残されているそうですよ。

美保関の美保館

海岸通りに抜ける路地「あまのみち」を通り、海側より撮影。

あまのみち自体も秘密の抜け道のようなおもしろさがあったので、パチリと。

美保関のあまのみち

さて、青石畳通りを抜けて左へ、これまた細い通りを進みます。

つきあたりに見えてくる、お寺の門。次の目的地の佛谷寺です。

美保関の佛谷寺

これより先、記事が長くなってしまったので、以下の後編でどうぞ。

www.hanatori-sanpai.com