京都・建仁寺の塔頭寺院「禅居庵」の境内には、いたるところにイノシシの像が見られます。もちろんおみくじも、かわいいイノシシです。
亥おみくじ
ベージュのやわらかい色合い。ウリ坊を思わせる、コロンとした形のおみくじです。
毛並みが凹凸であらわされており、こまかい工夫を感じます。
寺社名は入っておらず、亥年のおみくじとしても見かけるスタンダードな置物みくじ。
おみくじの紙は赤い紐を引いて、下の穴から取り出します。
禅居庵とは どんなお寺?
臨済宗建仁寺派の塔頭寺院である禅居庵。元時代の僧であり、鎌倉時代のおわりに来日した清拙正澄(せいせつしょうちょう)大鑑禅師によって開かれました。
御本尊は聖観音菩薩。通常は残念ながら、御本尊に拝することはできません。
境内にはお寺の守護神・摩利支天をまつる摩利支天堂があります。こちらのお堂が一般に開かれ、参拝のできるところになります。
摩利支天像は秘仏。年に一度、10月20日のみ御開帳されます。
禅居庵の摩利支天は、金沢の宝泉寺・上野の徳大寺とあわせて日本三大摩利支天のひとつに数えられるそうですよ。
お寺では月に一度の御縁日にあわせて、座禅と法話の会を開催。一般のかたも気軽に参加できるとのことなので、くわしくは公式サイトをごらんください。
摩利支天とイノシシ
仏教の守護神・天部である摩利支天は、陽炎を神格化したものといわれます。陽炎には実体がなく、傷つけられないということから、古くは戦国武将のあいだで崇敬されました。
現在は開運や勝利のご利益、亥年生まれのかたの守り神として広く信仰されます。
摩利支天の姿は人間の目には見えないことから、動物・イノシシの上に乗ることで図や像であらわされます。このことから、イノシシは摩利支天の眷属とされるようになりました。
禅居庵の摩利支天像も、七頭のイノシシの上に座っているそうですよ。機会があれば、御開帳にあわせて拝観したいものです。
おみくじを引くには
「亥おみくじ」は、摩利支天堂おとなりにある授与所で引くことができます。持ち帰るもよし、境内の猪像の足元に奉納されるのもよいですね。
授与所ではおみくじのほかにも、イノシシのお守りや絵馬・御朱印も受けられます。
わたしが参拝したときはシンプルな朱印と墨書きでしたが、現在はイノシシの印が入ったものが通常いただけるようです。
やはり、ふたたび参拝しなければ!
ほかにも引きたい イノシシのおみくじ
京都の上京区にある護王神社でも、イノシシのおみくじが引けます。
こちらは御祭神の和気清麻呂公を、イノシシが守り助けたことを由来としてまつられます。護王神社の境内にも、狛猪はじめ数多くの猪像があり。
おみくじの種類は2種、色違いもあります。キャラクターっぽいきょろ目のイノシシ、つるっとした古風なデザインのイノシシ、どちらもかわいらしいですね。
同じモチーフでも表現に違いのあるところが、置物おみくじの魅力のひとつかもしれません。
基本情報
建仁寺塔頭 禅居庵(摩利支天堂)
所在地:京都府京都市東山区大和大路通四条下る4丁目小松町146
拝観時間:9:00~17:00
公式サイト:http://zenkyoan.jp/