ふだんは非公開の霊源院。甘茶の花が咲く時期の特別公開へ行ってきました。参拝者限定の御朱印もいただけます。
霊源院の御朱印
特別公開時に書置きでいただきました。
毘沙門天の御朱印
中巌円月坐像の胎内秘仏・毘沙門天の御朱印です。
甘露庭の御朱印
花咲くお庭が素敵だったので、イラストが入った御朱印をいただきました。
そのほかにも切り絵の甘茶の花、天井龍の御朱印など、多くの種類がありました。公開のときごとに限定のものがあるようで、気になるかたは事前にSNSをチェックされるのがいいかも。
また置物型のおみくじも豊富です。オリジナルのものではありませんが、かわいいおみくじ好きとしては、あわせておすすめします!
霊源院とは どんなお寺?
霊源院は臨済宗建仁寺派の大本山・建仁寺の塔頭寺院です。
両足院開基の龍山徳見(りゅうざんとっけん)を勧請開山として、その弟子である一庵一麟(いちあんいちりん)によって創建。鎌倉時代末期から室町時代にかけて、禅宗寺院で行われた漢文学「五山文学」の最高峰とされました。
お寺には五山文学の代表者の一人である中巌円月(ちゅうがんえんげつ)の木像と、その胎内仏・毘沙門天立像がまつられます。
霊源院があるのは、建仁寺境内の南東。ふだんは非公開のお寺ですが、年に何回か公開があります。
この日はお庭の甘茶の花が咲く時期にあわせた特別公開でした。
中巌円月坐像と毘沙門天立像
受付で拝観料を納め、本堂にあがります。まずは仏間に参拝です。
中央に安置される中巌円月坐像は、高さ約81センチ。静かにも厳しくも見える表情が印象的な、南北朝時代の肖像彫刻です。重要文化財指定。
その傍らには、毘沙門天立像。仏師運慶の息子・湛慶が手がけた木像とのこと。左手には水晶を掲げ、中には伝教大師最澄が持ち帰った仏舎利が納められているそう。
高さは約38センチ弱。胎内仏ということで、わたしはもっと小さなものを想像していました。動きある衣の表現が良き。
奥側の厨子には、小さな薬師如来像がまつられます。こちらが霊源院の御本尊です。
天井には令和に完成した墨龍図が。畳に寝転がって見るのをおすすめされます。
(大きすぎて写真におさまらない…)
天井龍といえば建仁寺の大きな双龍図も有名ですが、霊源院の龍もまた違った魅力がありますね。
また本堂にはふたつ、茶室があります。南側の茶室はとても小さいのですが、このときは織田信長筆の書状が公開されていました。
霊源院は今川義元が出家した場所でもあるそうですよ。
甘茶の花咲く 枯山水庭園
堂内からはお庭が眺められます。
緑と白砂、石組みの対比が美しい。
6月から7月にかけては甘茶の花が咲き、彩りを添えます。
甘茶はアジサイの仲間。
葉を乾燥させて作ったお茶は甘味があり、お釈迦様の誕生を祝う花まつりに使うことで知られます。
満開ですね!
しかし人気のお庭だけあって、なかなかのにぎわい。
人が入り込まないように写真を撮るのは、結構たいへん…
お庭は一部、下に降りてお花を観賞できるところも。履き物の数が限られているので、譲り合いの心で楽しみましょう。
余談ですが、撮影のいちばん人気は、入り口すぐの福耳地蔵でした。
甘茶の花に囲まれて、ほっこり。
あわせて行きたい 建仁寺の塔頭めぐり
両足院
建仁寺境内の東側にあります。ふだんは狛寅のいる毘沙門天堂のみ参拝でき、御朱印もいただけます。
期間限定で特別公開があり、とくに初夏の半夏生の咲くお庭が人気です。
禅居庵
建仁寺境内の南西にあります。ふだんは摩利支天堂のみ、参拝できます。
摩利支天のお使い・イノシシの像が多く、御朱印やおみくじもいただけます。
基本情報
霊源院
所在地:京都府京都市東山区小松町594
拝観時間:不明
公式サイト:http://www.reigenin.jp/