葛木坐火雷(かつらきにいますほのいかづち)神社は奈良・葛城にある古社。近年は『鬼滅の刃』の聖地としても知られるようになりました。
葛木坐火雷神社の御朱印
社務所のインターホンを鳴らし、授与いただきました。初穂料は直書きが500円、書置きが300円です。
葛木坐火雷神社の見どころ
奈良・葛城方面は由緒ある神社が多くあるところ。なかでも葛木坐火雷神社は、その印象的な社名から以前より気になっていました。
延喜式神名帳に記載される式内社とはいえ、地元以外ではおそらく知る人ぞ知る神社。そのうち機会をみておまいりを…と思っていたら近年メディアに取り上げられ、有名になってしまいました。
いやいや、昔から知ってたんだよ~! といまさらいっても遅い。やや出遅れを感じながらも、参拝してまいりました。
アクセス方法ですが、神社の最寄り駅は近鉄・忍海駅。近くにはバス停もなく、徒歩30分ほどかかります。
車の場合は鳥居の南側(むかって左手側)に、近畿自然歩道・笛吹園地駐車場があり。こちらを目指してナビを設定、迷いなく到着しました。
周辺は道が細いのでご注意ください。
案内図を見ると、いちばん高い場所に社殿があります。
境内はイチイガシの木々にかこまれ、ちょっとした林のようにも。
まずはおまいり、拝殿まで石段を上っていきましょう。けっこう急ですよ~。
火の神と音楽・笛の神
神社の主祭神は火雷大神(ほのいかづちのおおかみ)と、天香山命(あまのかぐやまのみこと)。
以前は火雷大神は「葛木坐火雷神社」に、天香山命は「笛吹神社」にと、別々にまつられる神様でした。現在は合祀され、社名は葛木坐火雷神社となりました。
とはいえ、地元では地名でもある笛吹神社の呼び名で親しまれるとか。
創建年代は不詳ですが、古代この地は朝廷の笛吹きをつとめた人々「笛吹連」が住んだ場所でした。その祖神である天香山命をまつったのが、笛吹神社のはじまりと伝わります。
火雷大神は火の神様であることから、火をあつかう職業の飲食業や製造業・消防関係、また天香山命のご神徳から笛や音楽の神様として、楽器の上達を願うかたからも崇敬されます。
祖先が眠る古墳
本殿にむかって左手後ろ、こんもりと丸く小山になっているところは古墳です。
横穴式石室には凝灰岩の石棺を安置。お墓に眠るのは笛吹連の祖・櫂子(かじし)の父、建多折命ではといわれます。
神社の宮司は代々、笛吹連の子孫で受け継がれているそう。先祖がまつられるこの地は、はるか昔より神聖なところとされてきたのでしょうね。
奉献の大砲
境内なかほどにある広場には、少し変わったものが置かれています。
なんと、立派な大砲ですね!
こちらは日露戦争後に、政府より奉献されたものといいます。
神社に大砲という取り合わせ、わたしは同じ奈良にある廣瀬大社でも目にしました。
武器は国や人々を守るもの。大砲が奉納されることも、当時はとくにめずらしくもなかったのでしょうね。
鬼滅の刃の聖地
この静かな古社が近年「聖地」として注目され、話題となりました。
大人気アニメ『鬼滅の刃』の主人公と行動を共にするサブキャラの大技が「火雷神」という名前であることから、熱心なファンが訪れるように。
コスプレ姿で社号標を背景に写真を撮ったり、絵馬にイラストを奉納したりと、おまいりされるかたが増えたそうです。
見てください、この絵馬にあふれる想い! 熱い!
社務所の前には絵馬を書くスペース、ペンも用意されていました。
あわせて神社の授与品を求めるかたも。
とくに御祭神・火雷大神の「火守」、笛吹大明神の「音守」は炎柱と音柱ファンのかたに人気とか。
素敵なデザインのお守り、ファンでなくてもいただきたくなりますね。
余談ですが、神社には「パカッと割れた大きな岩は?」という問い合わせが多いそうです。が、それがあるのは天石立神社です。
こちらも過去に実際に行ってきましたので、よろしければご参考に。
ちなみに天石立神社に行った当時のわたしは、恥ずかしながら柱もわからないレベル。
その後漫画を大人買いし、いまでは立派な鬼滅ファンとなりました。猪突猛進、伊之助推しです!(聞いてねぇ…笑)
神社参拝も漫画もどちらも好きだからこそ、マナーは守っておまいりしていただけたらと思います。
あわせて行きたい 近くの寺社めぐり
葛木坐火雷神社周辺には由緒ある寺社が多くあります。
同じ葛城市内では、中将姫ゆかりの當麻寺がおすすめ。伽藍や仏像、塔頭の庭園など見どころがたくさんです。
おとなりの御所市では、鴨都波神社。下鴨社とも呼ばれる神社です。
葛城一言主神社も外せません。時期限定の一陽来復守り、御神木のイチョウや季節の彼岸花もぜひ。
基本情報
葛木坐火雷神社(笛吹神社)
所在地:奈良県葛城市笛吹448
拝観時間(社務所受付時間):8:30~16:30
公式サイト:http://fuefukijinja.org/