摂津国一之宮の坐摩(いかすり)神社。実は渡辺姓の発祥地にあった神社でもあります。全国の渡辺さんは、ぜひおまいりを!
坐摩神社でいただける御朱印・御朱印帳
本殿むかって左側にある社務所でいただきました。
通常の御朱印
右上には御神紋の鷺丸が入ります。
陶器神社の御朱印
末社・陶器神社の御朱印もいただけます。
菊と向かい鷺の御朱印
見開きサイズ、書置きの御朱印です。当初は令和三年元旦~1月末限定でしたが、通年頒布されることとなりました。
「菊と向かい鷺」は本殿御扉の飾り金具に描かれている図柄。中央にある皇室の「菊」を、神使い「白鷺」が向かい合わせに守り、坐摩神のご神徳をあらわします。
坐摩神社の御朱印帳
大きさは小サイズ。表紙は白鷺と川、裏表紙には松の木。坐摩神社の由緒にもとづいた絵柄となっています。
坐摩神社の見どころ
大阪の中心部、船場の街中に鎮座する坐摩神社。地元では「ざまさん」と親しく呼ばれる神社です。最寄りの地下鉄本町駅からは、徒歩3分ほどで到着。
まずは「坐摩」で「いかすり」と読む不思議な神社名が気になります。諸説ありますが、土地または居住地を守るという意味の言葉「居所知(いかしり)」がもととなっているとのこと。
社名にもあるように神社は住居守護、また旅行安全・安産の神として信仰されます。
この日の参拝は小雨模様。境内入り口、三ツ鳥居が迎えてくれます。
中央以外は閉じられているのが、三ツ鳥居好きには少し残念?
鳥居の内側には備前焼の狛犬が。雨に濡れ、しっとりと艶のある色合いが素敵ですね。
それではまず、本殿におまいりします。
はじまりは皇居を守る神
本殿にまつられるのは生井神(いくいのかみ)・福井神(さくいのかみ)・綱長井神(つながいのかみ)・阿須波神(あすはのかみ)・波比岐神(はひきのかみ)の5柱。あわせて坐摩神と称されます。
『古語拾遺』などによると、坐摩神は神武天皇が即位されたときに神勅を受け、宮中にまつられたのがはじまりとのこと。もとは宮域(皇居)を守る神様だったのですね。
こちらの坐摩神社は神功皇后が新羅より帰還されたとき、かつて大江・窪津などと呼ばれた淀川の河口地に坐摩神をまつったのが創始と伝わります。
皇后は坐摩神のお教えにより、松枝に白鷺の集まる場所を選んで奉斎。我が子(応神天皇)の安産を祈願しました。このことから、白鷺は神使いの鳥とされます。
御神紋の鷺丸、授与品の鷺の意匠も印象的ですね。
坐摩神がまつられた地は、渡辺津とも呼ばれたところでした。平安時代に嵯峨源氏の源綱が住み、渡辺氏を起こしたことでも有名な場所です。
ここから渡辺の姓をもつ人々が全国に広がったと考えられることから、渡辺姓発祥の地といわれます。
渡辺氏の守護神であった坐摩神社は、天正十年(1582)大坂城築城の際に現在の地に遷されました。住所にはいまも「渡辺」の名が残され、渡辺姓ゆかりの社とされています。宮司のかたも渡辺姓だそうですよ。
旧社地とされる中央区石町には現在、元宮・行宮(御旅所)が鎮座。拝殿には神功皇后が休息されたと伝わる鎮座石が残ります。
元宮・行宮は令和四年より改築とのことで、神社では奉賛を募られています。
この場所には熊野詣の出発地、熊野第一王子の宮・窪津王子(渡辺王子)もあったとされます。旅立ちの神社として、坐摩神社に旅行安全のご神徳があるのも納得ですね。
ちなみに窪津王子は、天王寺区茶臼山町にある堀越神社の境内に遷されています。御朱印も堀越神社で受けられますので、くわしくは以下の記事をごらんください。
坐摩神社の摂末社
本殿むかって右手側には境内社が並びます。屋根付きの回廊があるのが、雨降りの日にはありがたいですね。
まつられるのは大江神社・繊維神社・大國主神社・天満神社・相殿神社。
繊維神社は船場周辺にある繊維問屋を守護する神として信仰されます。
境内の裏手側にまわると、陶器神社と稲荷神社が。
陶器神社は火防陶器神社ともいい、御祭神は大陶祇神(おおすえつみのかみ)・迦具突智神(かぐつちのかみ)。こちらもかつての西横堀川沿いに並んだ陶器問屋の守護神としてまつられます。
灯籠や由緒書きまで陶器でできているのがおもしろい。
毎年7月には夏祭りとあわせて、せともの祭も行われます。
また坐摩神社では神使いの白鷺にちなみ、さぎ草の花も楽しめます。行事や見ごろなどはSNSでも発信されていますので、要チェックです!
あわせて行きたい 近くの寺社めぐり
坐摩神社より南へ数分と、近い場所に難波神社があります。
主祭神は仁徳天皇、御神紋は花菖蒲。難波神社では菖蒲の花が入った御朱印もいただけますよ。
坐摩神社→御津八幡宮
基本情報
坐摩神社
所在地:大阪府大阪市中央区久太郎町4丁目 渡辺3号
拝観時間(開門時間):平日7:30~17:30(土日祝日~17:00)
※新型ウイルス感染拡大のため、現在は~16:30までと短縮されています。