平安時代の陰陽師として有名な安倍晴明。生誕地と伝わる阿倍野の神社には、伝説にまつわる白きつねのおみくじがあります。
(2023-06-01 更新)
葛の葉きつねみくじ
白きつねが水色の玉を抱えている姿が特徴的です。玉の正面には、五芒星が目立ちますね。
きつねの手足が短いため、ゆるキャラのような雰囲気もあるおみくじです。
きつねのおみくじにしては、しっぽは控えめな表現。背中には神社名が、側面には花の模様が描かれます。
おみくじの紙は赤い紐を引いて、下側から取り出します。
安倍晴明神社とは どんな神社?
安倍晴明神社は阿倍王子神社の境外社で、平安時代の天文博士である安倍晴明公をまつります。
晴明をまつる神社といえば、屋敷のあった場所といわれる京都の晴明神社が有名。一方、この阿倍野の地は、晴明の生誕の場所として伝えられています。
境内には晴明の銅像や、生まれたときに使われたという産湯の井戸跡もあります。
葛の葉きつねの伝説
安倍晴明は古代の豪族である、阿倍氏の出身といわれます。その誕生には、霊狐「葛の葉」の話が伝えられています。
父の安倍保名(やすな)は和泉の信太の森を訪れた際、白きつねを助けました。きつねは女性に化身し、葛の葉と名乗ります。二人は結ばれ、後に清明が生まれました。
しかし、正体を知られてしまい、葛の葉は幼い清明を置いて、信太の森へと帰ってしまいます。別れ際に子を抱き、口に筆をくわえて障子に歌を書き残しました。
「恋しくば 尋ねきてみよ 和泉なる 信太の森の うらみ葛の葉」
その後、父と一緒に信太の森を訪れた清明に、水晶の玉を渡したと伝えられています。
この葛の葉と子別れの伝説は、歌舞伎や人形浄瑠璃など多くの物語の題材となりました。
おみくじに描かれている玉は、お稲荷さんのきつねが持つ「宝珠」ではなく、伝説に登場する水晶をモチーフにしているのかもしれませんね。
阿倍王子神社の境内には、葛之葉稲荷神社もまつられています。安倍晴明神社のすぐ近くにありますので、ぜひ一緒に参拝してみてください。
阿倍王子神社の八咫烏のおみくじもおすすめです!
おみくじを引くには
葛の葉きつねのおみくじは、本殿に向かって左手前にある社務所で引けます。初穂料は、わたしが参拝したときは500円でした。
おみくじ以外にも、五芒星の入ったお守りや、水晶を使った授与品も人気があるそうですよ。
あわせて引きたい 近くのかわいいおみくじ
安倍晴明神社の南西に位置する北畠には、阿倍野神社が鎮座します。境内には「一旗上げる」という言葉に由来する旗上稲荷社があります。
こちらでも、きつねのおみくじが楽しめます。
きつねの印が入った旗上稲荷社の御朱印も、合わせて受けられてはいかがでしょうか。
安倍晴明神社の基本情報
所在地:大阪府大阪市阿倍野区阿倍野元町5-16
拝観時間:不明
駐車場:なし
公式サイト:https://www.abeseimeijinja.info/