新型ウイルスの影響による行動制限も、少しずつ解除されつつあります。気になる今年の大阪の夏祭りはどうなるのでしょうか。
大阪三大夏祭りとは?
愛染堂勝鬘院(しょうまんいん)の愛染まつり、大阪天満宮の天神祭、住吉大社の住吉祭、この三つの祭りのことを大阪三大夏祭りといいます。
それぞれの寺社で6月末から8月初めにかけておこなわれ、夏越しの大祓えや秘仏の御開帳、陸渡御・船渡御、奉納花火などの行事で例年多くのひとでにぎわいます。
大阪の夏のはじまり、風物詩ともいえる三大祭り。毎年楽しみにしているかたも、多くいらっしゃることでしょう。しかし三密をさけろといわれる今年、はたして開催されるのでしょうか?
同じく楽しみにしている大阪人のわたし、行事の調べとともに過去にいただいた御朱印もあわせて紹介します。
愛染堂勝鬘院の愛染まつり
愛染まつりとは どんなお祭り?
大阪の夏祭りのなかでいちばん早く、6/30~7/2にかけて開催されるのが愛染まつりです。
大阪市天王寺区にある愛染堂勝鬘院は聖徳太子の創建。四天王寺の支院で、本尊は愛染明王。縁結びや商売繁盛のご利益があり、「愛染さん」とよばれ親しまれるお寺です。
祭りの期間中は、秘仏の御本尊・多宝塔の大日大勝金剛尊が御開帳。大祓えや大護摩の法要のほか、演芸大会も開かれます。さりげなくエンタメも組み込まれているのが、大阪らしいかもしれませんね。
実はこの愛染まつり、2018年より大幅に規模が縮小されました。
露店で売られるものから出たごみの散乱、暴走族やマナーのない参拝客がさわぐ騒音問題などが原因です。結果、露店は全店見送り、宝恵(ほえ)かご行列も中止になりました。
多くのひとが集まる人気の行事でしたので、主催者側も苦渋の決断だったことでしょう。
昨年の2019年、愛染まつりでいただいた、愛染明王と大日大勝金剛の御朱印です。現在、通常は愛染明王の御朱印と、聖徳太子の御朱印が受けられます。
縮小後の愛染まつりは屋台もなく、ふだんの祭りイメージからすると少しさびしい感じを受けます。そのぶん御開帳やおまいり・祈祷など、もともとの行事としての祭りを認識できたように思います。
「本来の祭りの姿に立ち返りたい」というお寺の姿勢には、おおいに納得できました。
今年の愛染まつりは
気になる2020年の愛染まつりですが、なんとオンラインで開催されます。
新型ウイルスの影響で外出の自粛があった3月末~5月、さまざまなリモート参拝の試みがありました。オンラインでの見仏や法要、遥拝での御朱印授与にも驚かなくなりましたが、とうとう祭りまでオンラインになるとは!
…といいつつ、いまひとつ具体的に想像できないあなた。大丈夫、わたしもです。笑
ここで今年の愛染娘のひとりにも選ばれている、よねはらうさこさんのツイートに助けてもらいましょう。
めっちゃ歴史的なイベントがまさかのオンラインで開催されることになった話 #愛染娘2020 #オンライン愛染まつり #PR pic.twitter.com/SWtbnbS3w9
— よねはらうさこ (@yoneharausako) June 12, 2020
わかりやすいですね! これならわたしも参加できそうです。がぜん乗り気になってきました。
・基本は、特設サイトよりライブ配信される行事・法要の視聴
・インスタなどのSNSで「#愛染娘2020」ハッシュタグをつけ、浴衣姿を投稿
さらに、より積極的に参加するには
・クラウドファンディングで護摩祈祷の申し込み、御朱印・お守りなどの授与品をいただく
ということで、わたしもプロジェクト支援してきました。手ぬぐいやTシャツのグッズも素敵。募集は6/26までなので、気になるかたはお早めにどうぞ。
日本最古の夏祭り 大阪「愛染まつり」をオンラインで開催したい!
祭り期間はオンラインで仏像におまいり、法要など見守りつつ参加したいと思います!
祭期間中、特設サイトよりオンライン祈祷の申し込みができます。7/2 12:00までの受付です。
また現地では祭の規模を最小限にして開催。通常通りの参拝、御朱印・お守りなどの授与品もいただけるそうです。
無理のない範囲でオンラインとあわせておまいりください。
大阪天満宮の天神祭
天神祭とは どんなお祭り?
次に催されるのが天神祭。日本各地の天満宮(天神社)でとり行われる祭りです。
大阪市北区にある大阪天満宮では、6月下旬から約1か月間にわたり、さまざまな神事があります。
一般的に知られているのが、7/24の宵宮祭の鉾流神事、7/25の本宮祭の陸渡御・船渡御。そして大川沿いで打ち上げられる奉納花火です。
一千年の歴史をもつといわれ、浪速の繁栄のシンボルとして全国的にも名高い祭りです。
大阪天満宮で通常いただける御朱印です。昨年は期間限定で、天神祭特別の御朱印が陸渡御・船渡御バージョンそれぞれいただくことができました。
きっとこれから毎年出されるのではと、今年は祭りとあわせて参拝する心づもりをしていましたが…
今年の天神祭は
大阪天満宮では早くにお知らせが出ていましたので、ご存じのかたも多いと思います。
2020年は陸渡御・船渡御や奉納花火など多くのひとが集まる行事は取りやめ、神事としての祭りは神職のみで行うとのことです。
毎年天神祭はものすごい人出で、とくに最近は花火時の警備がたいへん…と、テレビニュースでも取り上げられていました。
三密をさけるうえで、今年の中止は仕方のないことですね。また来年の開催を楽しみにしたいと思います。
7/25に本殿内で行われる本宮祭は、YouTubeでのライブ配信を予定されています。神事の中継は初めての試みで、神職による解説も入るそうです。貴重な機会ですので、リモートで参拝・疫病退散を祈願したいと思います。
そして限定の天神祭御朱印は、昨年に続いて今年も出されるとのこと。祭り本来の神事にあわせて、御朱印が受けられるのはうれしいですね。
大阪天満宮公式チャンネル - Osaka Temmangu Shrine - YouTube
7月1日より7月限定の御朱印を授与いたします。
— 大阪天満宮 (@osakatemmangu) June 27, 2020
昨年からの2種類に加え「催太鼓と神輿」の絵柄があります。
是非この機にお受け下さい。 pic.twitter.com/z5PFYr8v1s
住吉大社の住吉祭
住吉祭とは どんなお祭り?
大阪の夏祭りの締めくくりが住吉祭。大阪市住吉区にある摂津国一之宮、全国の住吉神社の総本社でもある住吉大社の例大祭です。
例年7月の海の日から8/1まで、神事がとり行われます。一般的には7/30の宵宮祭、7/31の夏越祓神事、8/1の神輿渡御をいいます。
色とりどりの衣装を着た夏越女・稚児の茅の輪くぐりや神楽の奉納。そろいの法被の男たちによる勇壮な神輿渡御。対照的な雰囲気の神事ですが、どちらも大阪を祓い清める大切な行事です。
住吉大社でいただいた御朱印です。通常はこの二種と、楠珺社の御朱印が受けられます。
初辰日や例大祭のときは、対象の摂社・末社の御朱印もいただけますが、住吉祭限定というものはとくにないようです。
今年の住吉祭は
気になる2020年の祭りですが、規模を縮小して神事のみ行われます。ひとの集まる奉納行事、露店の開設はありません。
緊急事態宣言を受けて住吉大社は5月末日まで閉門、6月に入りようやく参拝できるようになりました。しかしその月の初辰まいり・御田植神事の拝観の中止と、慎重な対応をされてきました。
どれも多くのひとが集まる行事ですので、住吉祭の規模縮小もやむをえないことですね。とはいえ、恒例の祭りを見ることができないのはやはり残念です。
これからのお祭りのかたち
突然のコロナ禍の対応に、寺社もわたしたちも手探りの状況です。伝統を守っていくことも大切ですが、新しい試みも柔軟に受け入れ、こんなときだからこそ逆に楽しみたいですね。
みなさんもなにかと気をつかうことが多いでしょうが、どうぞお気をつけておでかけください。この夏も良いご縁がありますように!