花鳥参拝帖

参拝した寺社の見どころと御朱印・おみくじの紹介

【特別展】聖林寺の十一面観音菩薩立像を拝観~奈良国立博物館へ行ってきた

国宝聖林寺十一面観音特別展が開かれている奈良国立博物館

特別展「国宝 聖林寺十一面観音―三輪山信仰のみほとけ」。会期は令和4年(2022)3月27日まで。観音様がガラスケースなしで展示される貴重な機会、お見逃しなく!

聖林寺十一面観音―三輪山信仰のみほとけ

新型ウイルスがまた流行り出し、なにかと気をつかうきょうこのごろ。寒い日が続いたこともあり、休みの日も引きこもりがちでした。

しかし、これだけは絶対に行きたい!と思っていたのが、奈良博の聖林寺展です。

tsumugu.yomiuri.co.jp

こちらの展覧会は先に昨年、東博にて開催。その展示方法については、Twitterにて少々話題となりました。

奈良博の学芸部長として数々の特別展を手がけられた西山先生の忌憚なき感想に、たいへん興味をひかれました。さて、奈良博ではいったいどんな展示になっているのでしょう~?

余談ですが西山先生の御本ではわたし、こちらの本が好きです。こだわりの仏像写真とエッセイ風紹介、仏像愛あふれています。

聖林寺の観音菩薩像はもちろん、御本尊の地蔵菩薩像とともに掲載されていますよ。

聖林寺の十一面観音菩薩立像

聖林寺は奈良県桜井市にある真言宗室生寺派の寺院。本尊は子安延命地蔵菩薩です。

はじまりは奈良時代、多武峰の妙楽寺(現在の談山神社)の別院として、藤原鎌足の長子・定慧によって建てられたと伝わります。

聖林寺 公式サイト

桜井市は歴史ある寺社が多いところ。なかでも三輪山を御神体とする大神神社は、大和国一之宮としていまもあつく信仰される神社です。

www.hanatori-sanpai.com

今回展示される十一面観音菩薩立像は、もとは大神神社の境内にあった神宮寺のひとつ・大御輪寺にまつられていた仏像。明治の神仏分離令の際に、聖林寺にうつされました。

聖林寺の十一面観音菩薩立像

奈良博で公開されるのは、実に24年ぶりとのこと。

注目の展示は…ガラスケースなし! 360度、あらゆる角度から観音様を見放題です!

黒背景が見やすく、展示高さもよい感じ。東京展よりも少し低い位置だそう。これはみなさん、ぐるぐるしてしまいますよね~。

どちらかというと「厳しいお顔」といわれる観音像ですが、そのまなざしはやさしくも感じます。長身で姿勢がよく、身体にかかる天衣のカーブがゆったりと優雅。

肩や胸の辺りは広く厚みがある反面、腰はきゅっと細い。腕と身体の空間バランスも絶妙ですね。指の表現が美しい右手にグッとくるかたも多いとか。台座の蓮弁の反り返りも素敵。

個人的には近づけるのはもちろん、ちょっと離れても見ることができるのがうれしいところ。全体のお姿をながめていると、自然と手が合わさりました。

こんなときだからこそ、お会いできてよかった。さまざまなご縁とお導きに感謝します。

なお、観音像そのものの構造と制作技法については、以下の本がくわしいです。図説や写真も多く、わたしのような素人にもわかりやすくてオススメ。

大御輪寺 仏像の再会

国宝聖林寺十一面観音特別展の告知

今回の特別展では十一面観音菩薩立像のほかにも、かつて大御輪寺にまつられていた仏像が展示されます。

十一面観音像むかって左手側に法隆寺の地蔵菩薩立像、右手側には正暦寺の月光菩薩立像日光菩薩立像です。

地蔵菩薩はどっしり感があり、流れるような衣文が美しい仏像。月光・日光菩薩はまったくタイプの違う顔立ち・身体つきで対比がおもしろい。こちらも露出展示でしっかりと拝見できます。

仏様の再会は約150年ぶりとのこと。幾多の時代乗り越えての同窓会かと思うと、見ているわたしのほうが感極まって泣きそう…!苦笑。

そのほか、三輪山の自然信仰うかがわれる出土品や、大神神社に伝わる絵図や経本なども。大御輪寺から聖林寺に仏像がうつされたことを記した「覚(おぼえ)」も興味深い。

全体的にゆったりとした展示内容・配置なので、じっくり集中して楽しむことができました。

観覧後は、ミュージアムショップで御朱印を拝受(特製クリアファイル入り・税込み880円)。お寺のかたがいらっしゃるときは、日付を入れていただけるそうですよ。

国宝聖林寺十一面観音特別展の御朱印

聖林寺では観音堂改修のため、クラウドファンディングでの支援も受け付けられています。

readyfor.jp

かんたんにご紹介しましたが、この観音様の魅力は実際にお会いしてこそ感じるところが多いと思います。

お寺でのおまいりはもちろんですが、博物館で存分に見ることができるのは貴重。この機会、どうぞお見逃しなく!

奈良博の看板

基本情報

国宝 聖林寺十一面観音―三輪山信仰のみほとけ

会期:令和4年(2022)2/5~3/27
会場:奈良国立博物館 東新館
開館時間:9:30~17:00(毎週土曜日は~19:00)

公式サイト:https://tsumugu.yomiuri.co.jp/shorinji2020/