花鳥参拝帖

参拝した寺社の見どころと御朱印・おみくじの紹介

【道の駅】文化財修復の見学も! ~なら歴史芸術文化村へ行ってきた

なら歴史芸術文化村の建物

奈良・天理に新しくできた道の駅「なら歴史芸術文化村」。文化財の修復工房見学ツアーにも参加してきました。

奈良に新たな道の駅がオープン!

2022年3月、天理市に道の駅「なら歴史芸術文化村」がオープンしました。

奈良の農産物・工芸品の販売のほか、文化財修復の見学、芸術文化にもふれあえるという、盛りだくさん体験型の施設。寺社めぐりや仏像拝観の好きなわたし、先日実際に行ってきましたので、かんたんにレポします。

なら歴史芸術文化村とは、どんなところ?

施設は4つの棟にわかれています。

交流にぎわい棟

交流にぎわい棟の直売所

地元産の農産物、加工食品、伝統工芸品の販売をおこなっています。一般的な「道の駅」らしい、いわゆる直売所です。

おみやげによさそうなお菓子のほか、名産の柿の葉寿司なども。

レストランは、とんかつ屋の「まるかつ」が入っています。おいしいと評判のお店ですが、こちらひとつしかないので、土日のお昼どきは混雑するかもしれません。

なら歴史芸術文化村の交流にぎわい棟のデッキ

店の外には、街並の見えるデッキがあります。直売所で購入したものなど、ちょっと食べられるスペースが便利です。ただ屋根がないので、日差しや雨が心配。

持ち込みのものは、建物の2階にある多目的室でも食べることができます。

そのほか、シャワー室も備えたサイクルステーションも併設されています。

芸術文化体験棟

地下~1階はイベントホール。座席数は272席あるとか。これからさまざまなプログラムが開催されるのでしょうね。

3階にはスタジオやセミナールームがあり、アートの展示や公開制作など、芸術にふれあって楽しめる場所となっています。子供向けのイベントなども、日にちを決めて実施されているそう。

気軽にアートを体験してほしいという施設ですが、建物が別になっていることもあって、やや入りにくく感じました。入り口の案内など、もうひと工夫ほしいところです。

情報発信棟

かたい名前の建物ですが、観光案内所のようなところです。24時間利用できるトイレ・授乳室があります。

文化財修復・展示棟

なら歴史芸術文化村のなかで、いちばん特徴のある場所。わたしもこちら目当てでやって来ました。

文化財修復展示棟の1階

施設には「仏像等彫刻」、「絵画・書跡等」、「歴史的建造物」、「考古遺物」、4つの分野の修復工房があり、ガラス越しに作業を見学できます。

国宝もあつかう専門の技術が通年見られるだなんて、いままでなかった取り組みですよね!

文化財修復展示棟にある薬師寺東塔の模型

1階には薬師寺東塔の縮小模型が置かれています。ちょうど寺院建築の入門書を読んだところだったので、復習もかねて見学。

以下、修復工房を順番にご紹介します。

歴史的建造物修復工房

文化財修復展示棟の歴史的建造物修復工房

作業のかたはいらっしゃいませんでしたが、右側には木材、正面には屋根を飾る金属製の千木が置かれています。

こちらは田原本町にある多坐弥志理都比古神社(通称・多神社)本殿のもの。いまは現地で、解体作業の真っ最中だそう。

天井は高さがあり、クレーンのレールのようなものも見えます。大きな建造物の作業にも、余裕がありそうですね。

手前のスペースには、木材の加工に使うさまざまな道具が展示されます。

考古遺物修復工房

文化財修復展示棟の考古遺物修復工房

となりの考古遺物修復工房には、お仕事中のかたの姿が。作業台に置かれているのは、古墳時代の埴輪のようです。

こちらも手前に銅鐸・土器などの出土品と、作業の道具が並べられています。発掘・整理作業に一時期かかわったことのある自分には、とてもなじみのある風景です。

工房では粘土での勾玉作りや、鏡の鋳造などのワークショップも行われているそうです。興味のあるかたは、公式サイトをごらんください。

絵画・書跡等修復工房

続いて地下階に行きます。この階は撮影禁止です。

絵画、書跡・典籍、古文書など、紙や絹に描かれたたものをあつかう絵画・書跡等修復工房。

掛軸や巻子、屏風や冊子など、大きさや形状はさまざまです。見学時は奥のほうに當麻寺奥之院(葛城市)の當麻曼荼羅らしき、大きく巻いた物が見えました。

こちらの工房は畳敷き。壁にはパネルのような板が立てかけられています。

なにかの下準備か、低いガラス台に糊と刷毛を使った作業を繰り返してらっしゃいました。熟練のかたの慣れた手つきは、それだけでも美しいですね。

仏像等彫刻修復工房

仏像などの木造建築の修理を行っています。

見学時は光堂寺(大和郡山市)の四天王像のうち、3体が手前に。自立しないので、木枠に白い保護布(紙?)で胴体などを巻かれて支えられています。

その姿、包帯を巻いて、リハビリをがんばっているようにも見えたり…(あながち間違ってはないか)

奥には當麻寺仁王門の阿形の像、横たわった姿が確認できました。こちらはニホンミツバチが頭のなかに巣をつくって居ついてしまい、ようやく修理されることになった像です。

www.asahi.com

修復作業や仏像などを、より近くで見たい!というかたは、14:30~15:10に行われる修復工房見学ツアーにどうぞ。学芸員のかたの案内で、工房に近い専用ルームから見学ができます。

わたしが参加したときは東南院(吉野町)大日如来像の内刳りの様子、仁王像の頭部や足の裏など、レアな部分が見られました。

※工房はそれぞれ休業日があるため、作業していないときもあります。

見学ツアーは13:00〜1階受付にて整理券配布、先着10名の受付です。修復についての質問にも、学芸員さんがていねいに答えてくださいますよ。

文化財修復展示棟の企画展

地下階には企画展示室もあり、このときは桜井市の三輪と初瀬に伝わる十一面観音像の特別展がありました。

なにげなく平等寺の秘仏本尊が並んでいてびっくり。これで無料とはすばらしい。

あわせて聖林寺の十一面観音の摸刻像も。こちらは写真撮影OKでした。

奈良の聖林寺十一面観音の摸刻像

春に本物を奈良博で見仏しましたが、見分けがつきませんね。

www.hanatori-sanpai.com

摸刻の工程や技法などは、こちらの本がくわしいです。

アクセスなどの課題も…

なら歴史芸術文化村にある池

散策の遊歩道から、施設を撮影。文化財修復・展示棟の裏手には小高い丘もあり、見晴らしが良さそうです。

奈良の歴史や文化財に興味のあるかたにはおもしろい施設と思いますが、お値ごろの直産物のみ目当てのかたは、やや拍子抜けするかもしれません。

また、わたしは車でアクセスしたのですが、平日でも駐車場が混雑気味なのが気になりました。

電車のかたはJR・近鉄天理駅から有料の直行バスがあり。昼間は電話かアプリでの予約のみとなっています。

アクセス|なら歴史芸術文化村

2022年7月~11月の土日限定で奈良公園からの直行バス予約もあるそうですが、使い勝手はどうでしょうか。

気になる企画展などとあわせて、またわたしも遊びに行きたいと思います。

基本情報

なら歴史芸術文化村

所在地:奈良県天理市杣之内町437-3
開館時間:9:00~17:00(にぎわい市場~18:00、レストラン~20:00)

休館日:月曜(月曜が休日のときは翌平日)※交流にぎわい棟は定休日なし
※12/28~1/4は情報発信棟トイレ以外、すべて休館

公式サイト:https://www3.pref.nara.jp/bunkamura/