大阪南東部、かつて錦部郡と呼ばれた地にまつられる錦織神社。本殿の建築は錦織造りと呼ばれ、日光東照宮の拝殿にも取り入れられたといわれる様式です。
(2022-3-27 更新)
錦織神社の御朱印
令和の金文字は、改元の令和元年5月限定。ねらっていたわけではありませんが、参拝の良い記念になりました。
錦織神社の見どころ
神社の創建年代は不明ですが、本殿修理の際に藤原時代の瓦が出土したことから、平安中期ごろと推定されます。
地域は古くは百済からの渡来人たちが住んでいたところで、錦を織る技術を持っていたといいます。旧社格は郷社です。
「錦織」…なんて読むの?
さて、この社名の「錦織」の字、どういう読み方だと思いますか? 「にしきおり」?「にしこり」?
…現地の案内板では「にしこおり(にしごり)」とありました。
近くの府営公園も「にしこおり」公園と読むので、地元ではこの呼びかたが一般的のようです。
以前は車での参拝時は拝殿前のスペースにしか置けなかったのですが、入り口左手に駐車場が新設されました。
同時期につくられた鳥居からは、まっすぐ長い参道がのびます。昔はここで流鏑馬が行われていたそう。
周囲は程よく木が生い茂り、気持ちの良い風を感じながら歩きます。
小さな太鼓橋を渡ると、右手に手水舎。正面の建物が、社務所にもなっている拝殿です。
ここを通りぬけ、本殿に参拝します。
錦織造りの本殿
錦織神社にまつられる御祭神は建速素戔嗚命(たけはやすさのおのみこと)、品陀別命(ほんだわけのみこと)、菅原道真公です。
通常、鈴緒のある正面の扉は閉じられています。が、左右両脇にある戸口が開いており、出入りできます。
(以前、扉が閉まっていたときは社務所で聞いてみたところ、「開けて入っていいよ」とこころよく許可いただきました)
せっかくなので、特徴のある本殿を近くから見せていただきましょう。
現在の社殿は室町時代に建てられたもので、国の重要文化財に指定されています。
入母屋造に三間の向拝。屋根は丸みを帯びた唐破風の上に、三角形の千鳥破風をのせた独特の形をしています。
柱には雲や波模様など、漆塗りもあざやかです。
重厚な屋根の力強さがありながらも、極彩色の模様は繊細。バランスが取れた社殿は美しく、印象に残ります。
両脇には摂社の春日社と天神社。二間社流造、見世柵形式の社殿で、こちらも重要文化財に指定されています。
(本殿にみとれて、いつも写真撮り忘れ…)
絵馬にも社殿が描かれていますね。
本殿と両摂社は近年、修復されたばかり。
機会ありましたら、どうぞおまいりください。
あわせて行きたい 近くの寺社めぐり
同じ富田林市内に、美具久留御魂神社が鎮座します。
錦織神社と建水分神社(千早赤坂村)とともに、「河内国の三水分社」と信仰されました。
御朱印もいただけますので、あわせての参拝もおすすめです。
錦織神社→美具久留御魂神社
基本情報
錦織神社
所在地:大阪府富田林市宮甲田町9-46
拝観時間:不明
公式サイト:なし