奈良・葛城にある當麻寺は歴史古く、なかでも中之坊はその筆頭として格式の高い塔頭寺院です。中将姫の守り本尊・導き観音は、女人の健康を守ります。
當麻寺 中之坊でいただける御朱印
導き観音の御朱印
御本尊・導き観音の御朱印です。
弥勒尊の御朱印
大和の古刹をめぐる、大和十三仏霊場・第六番の御朱印です。
布袋尊の御朱印
大和の七福神と大和信仰の原点である三輪山をめぐる、大和七福八宝めぐりの御朱印です。
ほかにも中之坊では写仏・写経を納めたかた、祈願会に参列した際に授与されるものなど、多種類の御朱印が受けられます。くわしくは、公式サイトをごらんください。
當麻寺 中之坊の見どころ
當麻寺中之坊は真言宗の子院。奈良時代、當麻寺別当(住職)実雅が開創した「中院」をはじまりとします。
重要文化財に指定される書院・茶室のほか、東塔を借景にする庭園は大和三名園のひとつと賞され、人気があります。
(ちなみにあとふたつは吉野山の「竹林院」、大和郡山の「慈光院」のお庭だそうです。自分メモ…)
中之坊へ参拝するには、當麻寺東の仁王門より入ります。国宝の梵鐘がかかる鐘楼をすぎると、左手に入り口が見えてきます。
先に當麻寺の本堂(曼荼羅堂)に参拝されるかた、また中将姫の説話については、こちらの記事もどうぞご参考に。
中之坊の拝観料は、大人500円(小学生250円)。書院にてお抹茶をいただく場合は、400円プラスの金額になります。
お抹茶セットの場合は、公式サイトに割引券がありますので、印刷して持っていくとちょっぴりお得ですよ。
入り口で拝観料を納めたら、まず右手にある本堂からおまいりします。
中将姫の守り本尊 導き観音
本堂は中将姫剃髪堂ともいい、奈良時代に中将姫が授戒された場所と伝わります。御本尊の十一面観音は導き観音と呼ばれています。
人生に迷ったとき、進学や就職・結婚などの節目のときに祈願すると、行くべき道に導いてくださるといいます。
また中将姫の守り本尊であったことから、女性の健康を守ると信仰されます。毎月16日に開かれる祈願会では堂内に入ることができ、多くのかたが参列されます。
9月16日(水)14時~(受付13:30~)
— 當麻寺にある法師 (@taima_dera) September 10, 2020
中将姫さまの発願日にあわせ月例の「導き観音祈願会」が厳修されます。https://t.co/g1drjwpqHq
前川良基師(高野山真言宗 本山布教師)の法話がある予定です。https://t.co/Z6aNzsxLBP pic.twitter.com/bLOMJPZOxY
この日は堂外から参拝しました。
お顔はややふっくらと、やさしい表情をした観音様です。小さな右手には、五色の紐を持ちます。紐は天井を伝って堂外に繋がっており、おまいりをしてご縁を結びます。
なんだか仏像を取り巻く、やわらかな空気に心が満たされます。きっとやさしく見守りながら、良い方向に導いてくださる…静かにおまいりすると、そんな安心した心持ちになりました。
中将姫誓いの石と霊宝殿
順路を進むと、庭園の入り口横に中将姫誓いの石があります。
その昔、観音様によって中将姫はこの地へ導かれました。しかし当時の當麻寺は、女人禁制。入山の許されなかった姫は、門前にある石の上で読経を続けられました。
数日後、その功徳で石には足跡が刻まれたと伝わります。この誓いの石は、中将姫の強い信念のあらわれなのかもしれませんね。
中之坊の霊宝殿では、姫ゆかりのものをはじめとした宝物を展示・公開しています。「中将姫剃髪剃刀」と伝わる日本最古の剃刀、毛髪による刺繍や絵伝など。
中将姫伝説の誓いの石と宝物、じっくりとごらんくださいませ。
香藕園と書院・茶室
中之坊の香藕園(こうぐうえん)は、池を中心とした池泉庭園です。池の周りを歩きながら鑑賞する「回遊式」と、建物の中から楽しむ「鑑賞式」、両方を楽しめるかたちとなっています。
庭園は桃山時代に完成。後の江戸初期、後西天皇を迎えるために片桐石州によって現在の姿に改修されました。
低い土塀が特徴的なお庭。その借景には、當麻寺東塔が入ります。この日は新緑清々しい景色でしたが、やはり桜咲くころがいちばん人気でしょうか。
美しい庭には書院と茶室が面します。こけら葺きの書院と大きな丸い窓の茶室、質素ながら優雅な雰囲気も感じる建物です。
お抹茶セットの拝観のかたは、この書院にあがっていただくことができます。(お茶菓子付き)
文化財の建物で一服、あわせてゆっくりとお庭を楽しむのも素敵ですね。
花庭園と絵天井
當麻寺といえば、牡丹の花が有名です。4月下旬から5月上旬のぼたんまつりでは、奥院をはじめとするそれぞれの塔頭で、ぼたん園が公開されます。
中之坊では客殿にそって、あざやかな花が咲きます。わたしが訪れた5月上旬は、残念ながら見ごろには少し遅く、牡丹はほとんど終わり。花はタイミングが難しいですね。
そのかわりに、芍薬などが美しく咲いていました。お庭は細やかに手入れされており、四季折々に楽しめそうです。
客殿は写仏・写経の道場となっています。拝観のみだと建物の外しか見ることができませんが、写仏・写経体験を申し込まれたかたは、美しい絵天井が見れます。
受付は随時されていますので、興味のあるかたはあわせてどうぞ。
そのほか行事の予定などは、Twitterでも随時更新されています。
當麻寺にある法師 (@taima_dera) / Twitter
あわせて行きたい 當麻寺の塔頭
當麻寺の境内は、中之坊のほかにも奥院・護念院・西南院などの塔頭寺院が多く並びますます。御朱印もそれぞれの場所で受けられます。
おみやげにおすすめ 中将餅
當麻寺に参拝した帰り、かならず買い求めるおみやげが「中将餅」です。
門前のお店でも売っていますが、わたしのおすすめは近鉄当麻寺駅に近い中将堂本舗。よもぎ餅とあんこのバランスが絶妙! 店内でも、お茶とのセットやぜんざいなどいただけます。
早い時間に売り切れてしまうこともあるので、ご注意ください。
基本情報
二上山 當麻寺 中之坊
所在地:奈良県葛城市當麻1263
拝観時間:9:00〜17:00
公式サイト:http://www.taimadera.org/index.html