京都・今熊野にある剣神社。疳の虫封じのご利益があり、子供の健康を守ります。社殿まわりにはトビウオの絵馬が奉納されます。
剣神社の御朱印
社務所のチャイムを鳴らし、御朱印をお願いしました。
剣神社の見どころ
剣神社の最寄り駅はJR・京阪の東福寺駅、徒歩10分ほどの距離になります。神社の前には数台とめられる駐車場もありましたので、車のかたも大丈夫です。
地名は今熊野劔ノ宮町。神社も以前は「つるぎのみや」と呼ばれていたのかなぁ…などと思いながら、静かな住宅街を歩きます。ほどなく、少し高い場所に鳥居が見えてきました。
まずは本殿に参拝します。
神社の創建とご利益
剣神社にまつられるのは、伊弉諾神(いざなぎのかみ)・伊弉冉神(いざなみのかみ)・瓊々杵命(ににぎのみこと)・白山姫命(しらやまひめのみこと)。
平安時代に王城鎮護のため、宝剣を埋めたところに神殿を造ったのがはじまりと伝わります。
神社の周辺は京都三大葬送地のひとつ・鳥辺野にあたり、高貴な人々の埋葬地となった場所でした。副葬品の鏡や刀剣が、後になって発掘されることはめずらしくなかったといいます。
もしかするとそのなかのひとつが、神社のはじまりとなったのかもしれません。
鳥居の傍らには、撫石があります。撫でたあとに自分の身体の悪いところをさすればよいと伝わる御神石、こちらも創建以来のものとのこと。剣とともに埋められていたのか、また違う目的のものだったのか、いろいろ想像させられますね。
現在、剣神社は今熊野一帯の産土神と崇敬されます。また御朱印に「子供乃守護神」とあるように、疳(かん)の虫(子供の夜泣き・かんしゃくなど)を封じるご利益があります。
参拝時に掲示のあった「三疳封じ」とは、神前におこした火で焼いたみかんを授与いただく御火焚祭の行事とのこと。この焼きみかんを食べると疳の虫封じのほか、冬中風邪をひかないそうですよ。
神使い・トビウオ
拝殿・本殿のまわりには、たくさんの絵馬が奉納されています。
二匹並んで描かれた魚。「剣」神社だから「太刀」魚なんじゃないかと勘違いしていたわたしですが、こちらトビウオです。
以前は祈願をするとき、トビウオを食べるのを断っておまいりしていたそう。いまは魚を捧げる代わりに、絵馬を奉納します。絵馬は昔からの版をもとに手作りしていると、神社のかたがおっしゃってました。やわらかな筆使い、味わいがあっていいですね。
トビウオである理由は、「神様の好物」や「導く魚で縁起が良いから」など、さまざまな説があるようです。京都でよく獲れる魚が奉納され、いつのまにか定番となり、絵馬に変わったのかもしれませんね。
「足が早い魚なので、たくさんいただいたらたいへん」と御朱印拝受のかたわら、聞かせてくださった苦労話がおもしろかったです。こころよく対応していただき、ありがとうございました。
あわせて行きたい 近くの寺社めぐり
剣神社から南へ上った場所には、泉涌寺とその塔頭寺院がならびます。神社は中世のころ、泉涌寺の守護神とされた縁もあり。この機会に、あわせて参拝されてはいかがでしょうか。
基本情報
剣神社
所在地:京都府京都市東山区今熊野劔ノ宮町13
拝観時間:不明
公式サイト:なし