京都市東山区にある安井金比羅宮。縁切りのご利益で広く知られている神社です。碑をくぐって悪縁を切り、良縁を祈願します。
安井金比羅宮の御朱印
金の字が入った宝船の印。こんぴらさんならではの御朱印ですね。
安井金比羅宮の見どころ
多くの観光客が集まる京都東山。なかでも安井金比羅宮は比較的若いかたが多く、パワースポットとしてにぎわっている印象です。わたしはというと、友人が定期的に祈願・お礼まいりをするので、つきそいでよく訪れる神社です。
この日もいつもの友人と参拝。東大路通りより入り、駐車場のある参道を進みます。鳥居には大きく「悪縁を切り良縁を結ぶ祈願所」とありますね。まずは本殿におまいりしましょう。
安井金比羅宮のはじまり
安井金比羅宮の御祭神は、崇徳天皇・大物主神・源頼政公。
略縁起によりますと天智天皇の御代、藤原鎌足が一門の繁栄を祈ってこの地に仏堂を創建。藤を植えたことから「藤寺」と号されました。崇徳天皇はこの藤をたいへん気に入られ、寵愛した阿波内侍を住まわされたといいます。
その後、保元の乱で敗れた崇徳上皇は讃岐の国に流され崩御。阿波内侍は上皇より賜った自筆の御尊影を、寺の観音堂に奉納されました。
治承元年(1177)、このお堂に大円法師がおまいりされます。そのときに上皇の霊があらわれたことから、後白河法皇の命によって光明院観勝寺が建立されます。これが安井金比羅宮のはじまりと伝わります。
お寺は応仁の乱により荒れすされましたが、元禄八年(1695)に太秦安井にあった蓮華光院が移建。鎮守として崇徳天皇に加えて、讃岐の金刀比羅宮より勧請した金毘羅権現、源頼政公をまつるようになりました。
明治維新後、蓮華光院を廃して安井神社と改称。金毘羅権現も大物主神に改められました。後に「安井金比羅宮」と改称、現在に至ります。
悪縁切り・良縁結び祈願の碑
本殿にむかって左側に、不思議な形状をした巨石が鎮座します。これが縁切り祈願で有名な「縁切り縁結び碑(いし)」です。
中央に丸い穴が開いており、そのまわりはびっしりと形代(お札)が貼られいます。はじめて見ると、少し異様に感じるかもしれませんね。
形代におおわれて石の形がまったくわからないのですが、もともとは絵馬の形をしているとのこと。そういえばこのときはすこしいびつな形状ですね。この形代、いつ張り替えしているのでしょう…。
ご祈願のやりかた
本殿に参拝しましたら、さっそく碑に祈願しましょう。
碑の左後ろ側に形代を置いている台があります。備えつけられている賽銭箱に100円以上のお志を納め、形代に願いごとを書きます。
次に形代を持って、願いごとを念じながら石の表から裏へくぐります。これで悪縁を切るといいます。
石の穴、それほど余裕のある大きさではないので、自分がやるときは抜けられなくなったらどうしよう…と不安になったり…。
裏側にくぐり抜けたら今度は表へくぐり、良縁を結びます。
写真、いままさにくぐっているのは友人です(撮影許可済)なんとなく某ホラー映画を思い出す構図になってしまいました…。
最後に願いごとを書いた形代を碑に貼り付けます。どこでも気に入った場所に貼り付けて、ご祈願は終了です。
主祭神の崇徳天皇は讃岐に配流されたとき、金刀比羅宮で一切の欲を断ち切ってこもられたと伝わります。これが切り離す・終わりにするという信仰のはじまりなのでしょうね。
本殿への参拝・縁切り縁結び碑の祈願は時間に関係なく、終日おまいりできます。形代も常時置かれているのがありがたい。
時期によっては、碑に祈願するかたで長い行列ができることもあります。時間に余裕をもってご参拝ください。
ちなみに友人はこのあと護摩木に祈願・絵馬を奉納し、お守りを授与いただき、おみくじを引くまでが通常のおまいり。いつもがっつり参拝しております。ご利益あるそうですよ。
久志塚と櫛まつり
境内の北側には塚があります。こちらは久志塚(櫛塚)といい、その名の通り、櫛をおまつりしています。髪をはじめとして美容や美顔にもご利益があるといいます。
また9月の第4月曜日には「櫛まつり」が執り行われます。さまざまな時代の髪型を結い上げ、華やかな衣装を着けた行列が京都の町を歩きます。伝統の髪型はかつらではなく、すべて自然の髪で結い上げられるそう。数ある時代行列のなかでも、特徴のある行事ですね。
使い古したり、折れてしまったりした、くしやかんざしに感謝して供養する「櫛まつり」が、#京都 市東山区の安井金比羅宮で開かれました。古墳時代から現代の舞妓までさまざまな髪形に結い上げた女性たち約40人が祇園かいわいを練り歩きました。#Kyoto
— 毎日新聞写真部 (@mainichiphoto) September 23, 2019
写真特集で→https://t.co/IQYKV9DZll pic.twitter.com/OKcbbJO6vV
境内そのほかには絵馬館があり、数々の絵馬を保存・展示されています。入館は有料ですが、日本初の絵馬ギャラリーとのこと。こちらはわたし見学しそこねているので、次回じっくり見てこようと思います。
あわせて行きたい 近くの寺社めぐり
安井金比羅宮の周辺は建仁寺や六道珍皇寺・八坂の塔・清水寺など、さまざまな寺社にも近い場所です。
また縁切りのご利益をもとめるかたは、菊野大明神もあわせて参拝されるのもおすすめです。
安井金比羅宮→法雲寺(菊野大明神)→大福寺→矢田寺(矢田地蔵尊)
基本情報
安井金比羅宮
所在地:京都府京都市東山区下弁天町70
拝観時間:終日可能(授与所:9:00~17:30)
公式サイト:http://www.yasui-konpiragu.or.jp/