花鳥参拝帖

参拝した寺社の見どころと御朱印・おみくじの紹介

安養寺【見どころと御朱印】快慶作・阿弥陀如来立像の御開帳

奈良の安養寺

奈良・田原本町にある安養寺には、客仏として快慶作の阿弥陀如来立像が安置されています。期間限定の御開帳日にあわせて参拝しました。

安養寺の御朱印

奈良の安養寺の御朱印

拝観受付の場所で、書置きをいただきました。拝観料・御朱印代は志納です。

安養寺の見どころ

安養寺の門

安養寺は正式には法性山専求院安養寺という浄土宗のお寺です。開山は行基とも伝わりますが、浄土宗の寺院としては寛永十年(1633)に創建、源蓮社宝誉上人によって開かれました。

御本尊は阿弥陀如来坐像。また快慶作の阿弥陀如来立像が客仏として迎えられており、重要文化財に指定されています。

ふだんは予約しないと拝観できない仏像ですが、期間限定で御開帳されます。9月の中旬、初めて田原本町を訪ねました。

安養寺の最寄り駅は近鉄田原本町駅。北へ歩いて20分ほどの場所になります。

門前の道路は中街道(なかかいどう)。古くは「下ツ道」と呼ばれ、飛鳥と平城京を結ぶ官道でした。

中世以降は陣屋町として栄えたそうで、その名残かお寺までは細い道が多く、T字路になっていたり。写真を撮り逃してしまいましたが風情のある建物も残り、歴史を感じます。

ほどなく、お寺に到着。特別開帳期間の中ほどの日、時間も午後をすぎていたのでそれほど混雑はしていません。よし、計画通り…(うそです、のんびりしていただけ)

受付をすませて志納金を納め、さっそく御開帳の阿弥陀堂に上がります。

快慶作・阿弥陀如来立像

安養寺の快慶作の仏像

堂内写真撮影は禁止でしたので、門前の案内板のお写真を。

阿弥陀如来立像の制作は建仁のころ(1201~4)、快慶壮年期の作品といいます。もとは寺川の東側にあり廃寺となった浄国寺の仏像とのこと。

高さは80センチほどとそれほど大きくはなく、安置するお堂もコンパクトです。3人も入ればやや窮屈ですが、像とのあいだに仕切りはなく、目の前で拝観できました。

お顔は頬が張り、ふくよかな表情。お身体は上半身の厚みに対して、下半身はスマート。両の手も阿弥陀仏にしては細長く、繊細な印象です。そして流れるような衣文が美しい。細やかながら大胆な彫り。変な表現ですが、見ていて気持ちがいい…このあたりはさすが快慶、というところでしょうか。

また金色をつや消しする粉溜技法も快慶仏の特徴。白土の下地に金泥を塗って仕上げるそうです。落ち着いた輝きも残りますが、表面黒く見えるのは護摩供養の煤のてかりといいます。

…と、近くで拝観できるのをいいことに、立ったままぐいぐいとのぞきこんでいました。気付けばお堂にはわたしひとり。あらためて、仏像の前に座り直します。

小さいながらも、見上げて観る仏像は先ほどよりもおだやかなお顔。わたしは阿弥陀如来像をこの角度で観るのがいちばん好きです。自然と手が合わさります。

お会いできてよかった。おまいりをすませ、阿弥陀堂をあとにします。

御本尊・阿弥陀如来坐像

安養寺の本堂

門の正面には本堂。奥はお墓になっているようです。ふだんは檀家さんしか上がれないらしい本堂ですが、ちょうどこの日より特別に中に入れるとの案内。せっかくのご縁、おまいりさせていただきましょう。

御本尊の阿弥陀如来坐像は、安土桃山時代の作と伝えられます。こちらは快慶仏より大きさがあり、整った優しいお顔。両手は胡坐の上に、定印を結びます。お身体は落ち着いた色合いですが、衣や光背は金色が光ります。脇時は観音菩薩と勢至菩薩です。

両脇侍はそれぞれの片膝を御本尊側につきます。いまにも立ち上がろうとするこの姿は、すぐにこちらへ迎えに来ようとされている現れの形。片足を踏み出したり、前のめりに傾いていたりする仏像と意味は同じですね。

係のかたの説明によると、脇侍にこの形はめずらしいといいます。「わたしも今回初めて観ることができたのですよ~」とにこにことお話されていました。拝観者のわたしたちよりうれしそうなので、なんだか微笑ましい気持ちに。「お会いできてよかった」という気持ちは、ここにもありました。

おてらおやつクラブの活動

安養寺の境内

地域の檀家寺である安養寺ですが、NPO法人おてらおやつクラブの運営もされています。仏様へのお供えものを集め、生活に困窮する家庭や子供たちにおすそわけをされるこの取り組み。お寺だからこそできる、また信仰を深めるきっかけにもなる活動ですね。

一般にも広く寄付を募っていらっしゃいますので、くわしくはおてらおやつクラブの公式サイトをごらんください。

otera-oyatsu.club

あわせて行きたい 近くの寺社めぐり

奈良の鏡作坐天照御魂神社

安養寺より南へすぐのところに鏡作坐天照御魂神社、通称・鏡作神社があります。鏡鋳造の神をまつる延喜式内社です。

御朱印もいただけますので、どうぞあわせてご参拝ください。

www.hanatori-sanpai.com

参考・このときの参拝ルート

津島神社村屋神社→安養寺→鏡作神社

基本情報

法性山専求院 安養寺

所在地:奈良県磯城郡田原本町八尾40
拝観時間:開帳時10:00~16:00(受付締切15:30)
公式サイト:https://anyouji.jp/